prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「のんちゃんのり弁」

2009年10月12日 | 映画
ダメ亭主でも実家が金持ちなものだからヒモ亭主にはならないという設定が、話がどろどろになるのを救っている。
ヒロインの小巻にしたって、帰れる実家があるわけだし。

預金残高が70000円ちょっとというのがリアル。
その割りにヒロインの金銭に対する感覚が甘くて甘くて、これで商売やって大丈夫かと思わせる。だから本式に商売をする前に話を切り上げたわけか。衛生上の問題とか、とんでもないクレームつけてくる客とか、問題山積だろうし。
向田邦子の、小料理屋を始めてみてそれがいかに家庭料理とあり方が根本的に違うか思い知らされた、というエッセイをときどき思い出していた。

墨田区京島のロケが効果的。近所づきあいは残っていても、それほどべたべたした下町人情劇風にしていないのがいい。個人商店が閉店せざるをえなくなる状況も描きこんであるのだけれど、甘すぎず辛すぎずに仕上げている。
余談ながら、これで思い切り辛く仕立てたのが成瀬巳喜男。

喧嘩の場面で、小西真奈美がグーパンチで殴るかと思うとすぐ猫手パンチみたいになる。女の人ってホントに人殴るときああいう殴り方するのかな。あまり乱暴になりすぎないための演出でしょうかね。
(☆☆☆★)


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