prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

2023年12月10日 | 映画
バカに鬼太郎の背が高いなと思ったらあれは鬼太郎の父親であって(つまり目玉のおやじということになるのだが目玉だけになるのは後の話)鬼太郎が誕生するのはラストもラスト、エンドタイトル後ということになる。誕生にふさわしいというべきか。

かなりの程度、旧日本軍の戦争犯罪に踏み込んでいて、血液製剤は731部隊を思わせ、それに製薬業という「犬神家の一族」の家業と亡くなった(が、存在感は失っていない)当主のイメージと旧家的体質を重ねている。
(余談になるが櫻井よしこは今はドがつく右翼だが前はミドリ十字を追求していた、なんでああなったのか)

それから鬼太郎の相棒になる水木というキャラクターは水木しげるの「総員玉砕せよ!」の生き残りで、自分勝手な上官を激しく面罵する。ああいう具合に罵倒できたらよかったのにという心残りも入っているだろう。
実際、みすみす若い命を散らさなくてはならなかった恨みつらみというのはそうそう簡単に忘れられるものではないし、忘れてはいけないものでもある。
その語り部が水木であり、鬼太郎でもある。

後半、ずいぶん血が大量に流れて、赤を強調した色彩演出も目立つ。
エンドタイトルが「墓場鬼太郎」の模写というのも、キャラクターデザインが違うが世界観がシリーズが進むたびに変わるというのは珍しくないものね。






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