prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マクダレンの祈り」

2006年06月13日 | 映画
望まない子供を生んだ女性を集めて、ただ「不道徳」だという理由(レイプなのに)で、何の法的根拠もなしに修道院に監禁し続けていたという、おぞましい実話。
それもさほど昔のことではない。

もっとも現在でもアメリカではレイプによる妊娠でも堕胎するのを白眼視したり、不妊治療で出た余分な胚を処分するのも反対意見が多くて莫大な費用をかけて保存している(ES細胞がそこからとれるのに)、それ以前に人工中絶がいつも大統領選の争点になるといった具合に原理化したキリスト教の不寛容と非人間性というのは、はたから見てグロテスクなまでに抑圧的に思える。(「原理化」した、ですよ、念のため)

不寛容と抑圧の塊になったような修道院長の造形のすさまじさ。
内容といいタッチといい、ほとんどベルイマンを地でいっているよう。あれは必ずしも彼の個人的な表現ではなかったのだね。
(☆☆☆★★)



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