prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブランカニエベス」

2020年06月04日 | 映画
白雪姫の物語をスペインの闘牛界に移して白黒・サイレント(効果音・セリフはないが、音楽は入るいわゆるサウンド版)で作るという凝った趣向。スペインの映画賞ゴヤ賞で10部門にわたって受賞。
闘牛中の事故で半身不随になった闘牛士の財産目当てに結婚した継母にいじめられる闘牛士の娘という具合にアレンジしてある。

製作は2013年というから、すでにスペインでも闘牛が州によっては禁止されたりテレビ放映が全廃されてから後のこと。一種の時代劇として作られたわけでもあるだろう。
ここでも白黒ということもあって闘牛の残酷さをあからさまに描くのは避けている。

白黒映像がサイレント映画時代とは格段に向上したカメラ技術で凝っていて、七人のコビトなど、ブニュエルばりでよくはまっている。
成長した白雪姫が父同様に闘牛士になるというのがやはり美的な歪みがあってユニーク。