prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ある女流作家の罪と罰」

2020年06月18日 | 映画
冒頭の、普通だったら辛気臭くてかなわないような中年を通り越して初老の売れない作家の生活のスケッチが一方でなんともいえない可笑しさを含んでいる。主演のメリッサ・マッカーシーがコメディ畑の人ということもあるかもしれない。
実際、見方を変えれば、有名人の名前ひとつで値段がバカみたいに上がるのも売買する人間も喜劇的といっていい。

唯一つきあっている男が異性であるにも関わらず両方とも同性愛者なので通常の意味での男女の仲にはならないが、それでも互いに良くも悪くも支えあう関係が成立しているのが面白い。少し、「シェイプ・オブ・ウォーター」を思わせもする。

劇場未公開になったのが惜しがられた映画だが、スクリーンで映画を見るのはなぜなのか、実際これはWOWOWで見た。
数からいけば劇場で見るより自宅で見る方が圧倒的に多いのに、なぜ劇場にも行くのか。習慣だから、大勢と一体になるのが楽しいから、には違いないけれど、コロナ禍以後ますます難しくなっている。