prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

5月28日のつぶやき

2020年05月28日 | Weblog

「アメリカの友人」

2020年05月28日 | 映画
ヴェンダース、ヘルツォーク、ファスビンダー、など今ではそれぞれ独立した地位を確立した監督たちだが、日本に紹介されたときは「ニュー・ジャーマン・シネマ」とひとくくりにされていた。
それだけに初見はアートフィルムという先入観で見たわけだけれど、今見るとれっきとした娯楽商業映画。

ロビー・ミュラー撮影の画がすごく格好いい。
原作は「太陽がいっぱい」とも連なるパトリシア・ハイスミスの才人リプレー氏ものの一つで、「太陽」ではアラン・ドロンがやっていたリプレーをデニス・ホッパーが演じる。
まるっきり違うが、もともと正体不明のキャラクターだからどちらでも成立する。

地下鉄やカメラ、額縁の工房など、機械類などのフェティッシュな描写、地下鉄の追跡劇の見事なタッチ。

ブルーノ・ガンツが亡くなった後ではなおさら、この端然と死と向きあう役が味わい深い。