prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「1922」

2020年05月02日 | 映画
スティーブン・キング原作だからもちろんホラーだが、怪物も幽霊も殺人鬼も、特別で非日常的な存在は出てこない。
あるのは地獄のような家族の姿。

トウモロコシ畑を背景にしているのが「フィールド・オブ・ドリームス」みたいでもあるが、あそこで描かれた父親と息子の愛情の話が完全に真逆のものとして現れる。

まず貧困が前提としてあり、徹底的に仲が悪い夫婦の話がエスカレートし、その挙句に息子まで巻き込んでの殺人という最悪の展開になる。
そこからさらに息子はその恋人と共に地獄めぐりに旅立つという、どうしようもなく陰惨な話であり、安易に死んで幕を下ろすことすら許されない。ラストで逆説的に超現実的な一般的ホラーの手でしめくくる。
ありそうな日常的な恐ろしさっていう点では極めて徹底している。

主演のトーマス・ジェーンが普通なら仇役になるだろう貧乏くささと最低の人間性のキャラクターでいながら主役として立っている。

スティーブンキングはさまざまなホラーのガジェットをとっかえひっかえ取り入れるが前提としてこういう人間関係の恐ろしさを踏まえてることが多いのをに思い当たる。

出てくるネズミがばかにリアルな割に演技をきちんとしている。エンドタイトルに注目していたら、amimal coodinatorと出てきた。本物を少なくとも部分的には使っているらしい。




5月1日のつぶやき

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