prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「人間まがい」

2020年05月11日 | 映画
冒頭でこの映画は実話に基づくというタイトルが出るが、ファーゴ以来、こういうタイトルは堂々と嘘をついてますという宣言みたいなもの。
笠原和夫が自分もシナリオを書いたヤクザ映画に多用された符牒の「実録」というのは堂々とウソがつけますという意味であって、冗談でなく実録・多羅尾伴内ができるというのですよと語っていたが、同じこと。

宇宙人に拉致された男が全く人格が変わって帰ってきて大暴れするという話。
79分という短い上映時間もあってもったいつけずにバンバン見せ場を並べてくる。

帰ってきた男に何かを植え付けられた人間は小屋に押し込められているうちに繭みたいになって姿は同じだが別人格になって再生するという、「SF/ボディスナッチャー」みたいな趣向。

ところどころ「シャイニング」ばりの斧や、「悪魔のいけにえ」ばりのチェーンソーなどが使われるが、使い方は今一つ。
チェーンソーが出てくるので当然それで人間を切り刻むのを期待したら車の窓を壊すのに使うだけで、殺す方はナイフで喉を切るだけっていうのはいささか拍子抜け。

2015年と比較的最近の製作なのだが、CGより特殊メイクを多用したのはところどころチャチになるが生っぽくてよろしい。

「マグマ大使」みたいなタイトルだが、原題もAlmost Humanだから、ほぼ直訳。