prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「15時17分、パリ行き」

2018年03月13日 | 映画
事件の当事者が自分の役を演じる、というほとんど実験作というべき一作だけれど、まったくの素人だというのに演技がすごく自然(西洋人って何で普段は大仰なジェスチュアするのに芝居になると抑制できるのか)なのはいいのだけれど、かえって普通の劇映画に近くなって実験性が目立たなくなっている感じ。
これで事前情報がまったく入っていなかったら、まずわからないと思う。

昔だったらセミ・ドキュメンタリー調で撮るのに白黒画面で手持ちで撮ったりしてラフな調子がリアリティを演出したりしたわけだけれど、最近のデジタルカメラではまるで破綻なく撮れてしまうのは良し悪し。

事件そのものとそれまでのエピソードって、直接の結びつきはまったくないわけで、柔術の心得があったのや応急手当を知っていたのがテロリストを取り押さえるのや負傷者の手当に役立った、というのはドラマの組み立てとまでいかない。ムリにドラマ仕立てにしないのはいいにせよ、天の配剤といったものを感じさせるまではいかず、かなり緩い。

実話ものにたいていある、エンドタイトルで本物の人物を紹介する映像で当然ながら映画に出ていた当人が写っているのが不思議な感じ。
(☆☆☆)

「15時17分、パリ行き」 公式ホームページ

「15時17分、パリ行き」 - 映画.com



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3月12日(月)のつぶやき

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