原題はpathology(病理学・病変)。
若い医師集団の内部で行われる、死因がわからないように人を殺し他の医師がその方法を当てるというヒドいゲームを描く。
うまく処理したら「罪と罰」のラスコリニコフが本当に人の生死を決められるエリート的な立場と技術と知識を手に入れたようなものになったかもしれないが、冒頭で遺体をおもちゃにして人形劇まがいをやったりといった表面的な趣味の悪さが先にたってサイコが医師の仮面をつけているとしか思えず、やり方も乱暴でいくらなんでも周囲が気がつかないことあるのかと思ってしまう。
助からない患者をやむをえず安楽死させたらどんどんエスカレートして人の生死を握っているのが快感になるとか、いくらもドラマの綾のつけ方はあるだろうに。
ゲームの設定を思いついて、医者のエリート意識のいやらしさを描いたら下世話な嫉妬心を煽れるぞという下心から踏み出さないで終わった感じ。
ローレン・リー・スミスやアリッサ・ミラノ(30過ぎているもので、誰だかわからなかったが)といった女優陣が美形なのは救い。ただ、役そのものは平板。
主人公は途中からはっきり鬼畜になっているわけで、もっと悪い奴をやっつけたからって別に許されるわけではないだろう。
(☆☆★★)