prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「AVP2 エイリアンズ VS. プレデター」

2008年01月13日 | 映画
エイリアンとプレデターに挟まれて、人間はただ殺されるためだけに出てくるみたい。三十郎が出てこない「用心棒」みたいというか。ときどき大勢のエイリアンに囲まれてプレデターがヒーローがかって見えてくると、おっといけないという感じでいきなりプレデターが無意味に人を殺すシーンを持ってくる。
ヒーローはおろか、まともにキャラクターと呼べる人間が一人も出てこない。アメリカ映画は昔はたとえ格好だけにせよ、映画で子供や赤ん坊(胎児含む)を殺すのは避けていたが、もうお構いなし。ひどいもんです。

「24」のミッシェルことレイコ・エイルスワースが出ているから、というわけでもないだろうが、それはやらないだろうという展開でむりやり次につなごうとしている。
あえてネタバレをするが、爆弾を落とせばなんでも一挙に解決みたいなラストは、原爆投下にもつながるアメリカ的傲慢と無神経で、やたらと産軍共同体の陰謀説にもっていくのは、裏を返せば軍事力と権力万能思想だろう。娯楽映画らしい爽快感ゼロ。
ショック・シーンの趣向と演出も、これまでのシリーズの焼き直しばかりで、残酷ショーにすらなっていない。無意味に画面が暗くてよく見えず、カットつなぎもボロボロ。
(☆☆)


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