カミさんは春休みになっても
出勤して何やかや仕事している。
それでも年度末のストレスが
溜まっているせいか、
休みのたびに一人で
スキーに行ったりテニスに行って
ストレス発散している。
今度は、東京に行って
遊んで来ようとも言っている。
自分も、教員時代には
春休みなぞまったくなくて、
毎年、教務の時間割作りで
学校に缶詰状態だった。
部活もあったし、
新入生を迎える準備もあった。
カウンセラーの自由業になってからは、
春、夏、冬と1ケ月ずつ休みがあり、
しかも学休期間は収入がなくなるという
全くもって不安定な生活になった。
この春休みの1ケ月をどう過ごすか、
というのが目下の課題ではあるが、
あちこちから本の注文を受けたり、
過去の臨床ケースを書籍化したり、
ギターの練習をしたり、
本を読んだり・・・と、
今の所、けっこう充実してはいる。
それでも、花粉症のせいか
春先の「うつ」のせいか、
今朝なぞは珍しく
10時まで寝過ごしてしまった。
毎朝、5時半起床で
朝食、新聞、ブログという
リズムが久しぶりに崩れてしまった。
でも、型どおりに
せねばならないことは何もなく、
ま、ぼちぼちいこか、と
ええ加減にやることにしている。
今日は、午後から、
数ヶ月ぶりに
フラメンコ教室の伴奏をしに
行こうかと思っている。
2.5時間のボランティア活動だが、
ギター修行でもある。
今晩は、カミさんが送別会なので、
ひとりでラーメン屋にでも行って、
夕方からは天満敦子の
バイオリン・コンサートに出かける。
これは、復興支援事業の
無料コンサートで、
事前にギター仲間と
整理券を入手していた。
タダでギター伴奏して、
タダのコンサートに行く・・・
今日は「タダ日」である。
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人生随談
奈保子 音楽ではなく、音質という観点での人の感受性については如何でしょうか。
先生 それでよく喩えに挙げられるのが、オーディオマニアの話ですよね。
よく、彼らは音質ばかり追求して、あまり音楽そのものを聴いていない、という揶揄があるんですよ。
奈保子 なるほど。そうなんですか。
先生 いや。それは揶揄であって、音楽をちゃんと聴いて感動しているオーディオマニアも大勢いますよ。でも、一部には確かに、出力される音の質にばっかり拘っている偏狂な人もいることはいる。
奈保子 私たち世代は、iPodをイヤフォンで聴きますので、あまりスピーカーとかステレオ装置などとは縁がないですものね。
先生 でしょ。私も若いときには、けっこうオーディオにも凝った時期がありまして、最高級志向とは逆に、最廉価で最高音質を求めるにはどうしたらいいか、というので、ずいぶんオーディオ雑誌で研究したり、実際に大阪の日本橋に通いましたよ。
奈保子 そうですか。で、ご自身で納得のいくコンポーネントを組まれたんですか?
先生 うん。最廉価といっても、例えば、レコードのプレーヤーは99.800円でした。
奈保子 それは高級品じゃないんですか?
先生 いや。オーディオの世界で、高級品というのは50万、100万の世界なんですよ。10万以下なんてのは普及品の部類なんです。
奈保子 いや~。驚きの世界ですね。
先生 でしょ。病膏肓に入る、という世界なんですよ。
私の場合は、ボーナスのたびごとに一品ずつ買い足していって2年くらいでコンポが完成したかなぁ。スピーカー、アンプ、チューナー、カセットデッキ、CDプレーヤー、イコライザー…と、一揃いそろえたら、やっぱり50万くらいはいっちゃいましたよ。
奈保子 それでも、最廉価なんですね。
先生 そうそう。だって、高級品はスピーカー一本で50万とか、アンプ一台で100万なんていうのが当たり前なんですよ(笑)。私の叔父さんも持っているんですから。
奈保子 へえ~。なんだか、iPodが何十個も買えてしまうので、何だか信じられません。
先生 だから、オーディオは「悪魔の趣味」とも言われるんです(笑)。
奈保子 ほんとですねぇ。で…、音質の話に戻りますが…。やはり、納得のいく音が得られたんでしょうか?
先生 ま、ある程度はね。これは、個人の趣味なんですよ。私は生のギターやってるでしょ。だから、毎日、実音を聴いているじゃないですか。ところが、CDから流れるギターの音というのは、いろんな加工が施されているんですよ。
奈保子 たしかに、歌なんかでもカラオケみたいにエコーが掛かっていますしね。
先生 そうでしょ。実際はね、他にも、ディレイとか、リバーブとか、イコライジングとか、そういうエフェクター類で加工してあるんです。
奈保子 生の音ではないんですね。
先生 ピアノやヴァイオリン、オーケストラは生に近いですよ。ホール残響を入れてるのもありますけど。それで、話を元にもどすと…。叔父さんちの何百万もする真空管のアンプと大型スピーカーで聴いてみると、これが自分の好みの音ではないのね。
奈保子 どう違うんですか?
先生 実音より柔らかい。丸くソフトな音がするんでよ。どうも、高級なオーディオほどそういう傾向があるみたいなのね。私の実感では…。でも、実音はもっとシャープだしクリアーなんですね。ですから、私は廉価コンポでそれに近い音を追及してきたんです。
奈保子 それは電気で再生する装置でも得られるものなんでしょうか?
先生 まったく同じではないですよ。私なら、オーディオ再生と生の音は簡単に解りますね。
奈保子 空気の振動がちがいますものね。
先生 というより、ギターで言えば、表面版が振動して空気を伝わってくるのと、スピーカーのウーハーやコーンが振動して伝わるのでは音の性質が違ってるに決まってるでしょ。
奈保子 なるほど。そうですね。それでも、再生媒体でも私たちは感動するし、生演奏でも感動しますよね。
先生 そう。実際はね。でも、オケの演奏をスピーカーから聴くのと、ホールで聴くのでは、まるで別物です。だから、ステレオで聴いているのは
音質よりも音楽の方なんですね。
奈保子 そうなんでしょうね。ただ、再生装置によっては、そこに音の硬さや柔らかさ、奥行き、深みなどのテイストの違いが生じるわけですね。
先生 そうなんです。だから、オーディオは所詮、生体験に代わる疑似体験なんですよ。ただ、第二の音体験と言ってもいいかもしれないけど。それでも感動できますからね。