WALKER’S 

歩く男の日日

今年初めての宿 (3)

2016-06-15 | 16年四国の旅

 2番目のお気に入りの宿は、ちょっと迷ったのですが、やっぱり宿毛の米屋旅館。ご主人の元気な出迎えはお遍路にとってはとてもありがたい。1日中歩いて疲れきった身体で見知らぬ宿に入る、その最初の印象はとても大きいと感じました。前期の時はたまたま奥さんもいっしょでその笑顔が何とも感じよくて心癒されるものがありました。
 家田荘子さんがおすすめ宿に推薦していたので、ぼくのページでも◎の宿にあげていたのですが、ネット上でもあまりこの宿の評判を聞くことがなくて、ちょっと半信半疑の部分もあったのですが、想像以上でした。ちょっと古いのが気になるという書き込みを見たことはあったのですが、確かに古さは感じますが、全く気になりません。鉄筋コンクリートの3階でがっちりした建物だったのはちょっと意外、どちらかというとホテルに近い感じですが部屋は和室で、お風呂トイレは部屋とは別にあります。写真は左が四元奈生美さん、右が家田荘子さんの色紙です。

 左上の鍋はすき焼き、ちゃんと牛肉です。海老フライは温かくてすごくうまい。右上はたっぷり過ぎるほどのカツオのたたき、お汁は鯛の潮汁、いやぁ、ちょっとびっくりのご馳走です。時間をかけて残さずじっくり味わいました。
 同宿は2回ともいませんでした、宿毛には新しいまなべという評判の宿があるし、秋沢ホテルも人気があるし、そのほかにもホテル旅館があるからこんなにいい宿でもなかなかお客が集まらないというのはちょっと残念です。
 2食付き6500円、ぼくは夕食だけだったので6000円、龍馬パスポート(青)で500ccのペットボトルのお茶をいただきました。


今年初めての宿 (2)

2016-06-15 | 16年四国の旅


 今年初めて泊まった23の宿の中で一番のお気に入りは、なんといっても雲辺寺を4km下ったところにある民宿青空屋です。こちらのご主人、奥さんも歩き遍路の経験者です。宿をしているともちろんなかなかお遍路には出られない、特にこちらはワンコが6匹もいるので人に預けることもままならない。ご主人は今度歩くとしたら通しで歩きたい、奥さんはワンコたちがいなくなったらその写真を首にぶら下げていっしょに歩きたいといいます。写真の左の低い垣で囲まれたエリアはワンコたちの運動場。犬や猫のいる宿を毛嫌いする人もいますが、こちらではお客さんのエリアと完全に隔離されているので全く問題ありません。奥さんの出迎えはすごく明るくてそれですぐいい宿だと判ります。設備も全部清潔できれい、洗濯乾燥は無料です。ぼくは普通乾燥機は使わないのですが軽くかけようとしたら、ご主人が来て操作の仕方を教えてくれて、自動にすればそんなに時間もかからず完全に乾くからと、きっちり乾燥にしてくれました。

 ハンバーグが少し遅れて出てきたので、天ぷらが半分くらいお腹の中に入ってしまいました。天ぷらも猪のハンバーグも熱々、お汁以外に二つのお皿が熱々というのはなかなかないことです。しかも時間差で出てくるから最初のが冷めることもない。こういうことまで気を使ってくれるのは、遊庵とうまめの木ぐらいです。
 同宿はベルギー人の男性、逆打ちで明日で区切るそうです。言葉が通じないのでほとんど会話もなく早々に自室に引き上げていきました。
 もう一人は雲辺寺の下りで追い抜いた女性、昨日は伊予三島のホテルリブマックス、そんなに健脚でなくても三島からここまでは無理なく歩けるようです。彼女が到着したのは16時15分頃でした。食堂に地図を持ってきていて明後日からの宿の相談を受けたので、一つ一つ紹介していきます。明日はいやだに温泉に予約しているので次は坂出まで歩きたい、その次は天皇寺の次に白峯に先に登れば国分寺まで、例によって坂出まで電車に乗ることを勧めます。その次は八栗寺の門前、そして88番までですが門前の宿には泊まらず、すぐコミュニティバスで引き返して高速バスで難波のホテルに泊まる。始発に乗って高野山へ、町石道を歩いても宿坊に泊まらず帰ってこられると、一連の流れを助言すると、これで先が見えました、と一安心したようでした。安心したところで彼女も自室へ引き上げたので、ぼくも一旦部屋に帰ったのですが、食堂にコーヒーのセットがあったのを思いだして再び食堂へ、お遍路ではない3人の女性が食事を終えてお酒を飲みながらご主人といっしょに歓談中、ぼくも仲間に入れてもらいました。3人のうちの一人だけがお遍路の経験者でご主人と知り合いのような感じで、田舎に遊びに帰ってきたという雰囲気、二人の女性はお遍路の経験はなく、経験者の女性がしきりにお遍路の経験談をして二人を誘っているような感じ。ご主人もお客さんの話や遍路道の話をして加わっていきます。ぼくのように伊予土居から来るお遍路さんもごくたまにいるそうです。話しぶりからして100人に一人か二人という感じ。同じくらいの割合で民宿岡田から来る人もいるそうです。標高900mの山越えといってもそのきょりわずか10kmほど、9割以上は三島からということのようです。

 ごく普通のシンプルな朝食に見えますが、シャケがめちゃくちゃ熱々ですごくうまい。朝食を断らなくて(金刀比羅宮に行かなくて)良かったぁと心底思えるくらいでした。卵焼きもとても好きな味。こんないい宿にこれから来ることがないのいうのが本当に残念で仕方ありません。別格を巡ればくることができるから、もしかして来年は108ヶ所を歩くことになるかもしれません。