男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

豆腐と大根のけんちん風

2009年10月14日 | 豆類・とうふ類

豆腐と刻んだだいこんを油で炒め、醤油とさとうで味つけした
「けんちん汁」は、幼い頃から親しんだ料理でした。

「けんちん」は、「豆腐と大根」で作るものと思い込んでいたら、
「けんちんうどん」「けんちんそば」というのがあり、これには
「とうふ」のほかに「ごぼう」や「さといも」などが加わります。

しらべたら、「けんちん」と名のつく料理は「ごまん」とありました。
曰く「なすのけんちん汁」「鶏肉のけんちん蒸し」「いかのけんちん
蒸し」「ぶたロースのけんちん蒸し」「ハクサイのけんちん蒸し」
「うなぎのけんちん蒸し」もありました。

「けんちん焼き」もあり「かつおのけんちん焼き」「合鴨のけんちん
焼き」などがあり、「けんちん鍋」と言うのもありました。
まだまだありますが、総じて言えば材料に「とうふ」と「シイタケ」
「にんじん」「里芋」などの野菜を使っていることです。
なかには「とうふ」を使わないのもありました。

レシピに書きましたが、けんちん汁は神奈川が発祥といいます。
材料は「とうふ」と「だいこんなどのやさい」がベースです。
ふるさと山口の「けんちん」も「とうふ」と「だいこん」がベースです。
材料も名前も共通点があるが、双方の関係は不詳といいます。

これを聞いて芥川龍之介の「蜘蛛の糸」と「カラマーゾフの兄弟」に
出てくる「一本の葱」を思いだしました。「蜘蛛の糸」も「一本の葱」も、
自分のあとからついてくる地獄の住民を蹴落とそうとする・・・その
とたん蜘蛛の糸も葱もプッツリと切れてしまう・・・と言うお話です。

わたしは長い間、龍之介は「一本の葱」から題材をとったものと
思っていましたが、全く別のところからヒントを得たと聞きました。
共通点を持ちながらも双方のつながりがない・・・「けんちん汁」の
レシピを書きながら「蜘蛛の糸」を思いだしました。

幼いころの食生活はみじめなものでした。昭和20年(1945年)をはさんだころなので日本の全国民がそうでした。
お米のごはんが食べられるのは、お正月とお祭りの日くらいでした。そんなときでも大根ととうふは口に入りました。
あのころの冬はとても寒かったですね。熱量になるものをたべないので、からだがやたらと寒かったのでしょう。
そんな寒いときの夕食のおかずは決まって「けんちん汁」でした。食料難の時代でしたがとうふは手に入りました。
だいこんはお百姓さんからいただいたり、お店でも売っていました。幼いころの寒い冬の切ない思い出のおかずです。


材料
とうふ 1丁 430g 布巾に包んで水気をしぼってほぐす
だいこん 430g 薄切りにして4cm×1cmの短冊に切る
にんじん 1本 250g だいこんより少し小さめに切る
油揚げ 2枚  30g たて二つに切って小口から細切り
いりこ 20尾 頭と腸をとる
すりごま 大さじ 3
調味料
しょうゆ 大さじ 3 さとう 大さじ 1
みりん 大さじ 1 ごま油 大さじ 2
作り方
鍋にごま油を入れて火にかけ、大根、にんじんを炒める。
しんなりしてきたら、いりこと油揚げを加えて、さらに炒める。
つぎにとうふを加えて良く混ぜ、全体がなじんだら調味料を
加えて味見して味をととのえ、10分くらい中火で煮る。
煮汁がなくなったらできあがり、器にもってすりゴマを振る。
この料理は水は要りません・・・だいこんの水分で十分です。

けんちょう煮
山口の郷土料理です。けんちん煮とも言い、またけんちん汁
とも言いました。煮汁が多いのがけんちん汁だったのでしょう。
作り方です。だいこんと崩したとうふを、ごま油で良く炒め、
だいこんが煮えたら、しょうゆ・酒・みりん・さとうで味をつけます。
基本はだいこんととうふ・・・です。
ほかに、人参、油揚げ、乾し椎茸、里芋、こんにゃくなどのうち
二・三品を加えることもあります。

けんちん汁
神奈川が発祥の料理です。巻繊汁または建長汁と書きます。
建長汁と書くのは、鎌倉の建長寺の修行僧がこれを作って
食べたことに由来するそうです。
材料はとうふとだいこんなど、けんちょう煮といっしょです。
けんちんとけんちょう、名前も材料も似ていますが、
両者のかんけいははっきりしないそうです。






コメント
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