サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

「ミンスクの台所」閉店に想う

2022-05-27 | ロシア料理とその仲間たち
日本では珍しいベラルーシ料理のお店「ミンスクの台所」が、5月15日をもって閉店したと聞き、残念でならない。



ベラルーシとロシアは共通する料理が多く、何度かお邪魔させていただいた。最初に訪問したのは、もう十数年前で、誰と何を食べたかも記憶にない。けれど、2度目の訪問は、はっきりと覚えている。なぜなら「ミンスクの台所」を会場として、ユーラスツアーズさん主催のダーチャセミナーが開かれ、その席で講師を務めさせていただいたからだ。

記録によれば2007年3月のことだったもよう。当時は、ロシアツアーの新しい目玉として、ダーチャが注目され始めていた頃。ダーチャツアーに関心のある方を募り、プロジェクターで写真を見ていただきながら、ひとしきりダーチャの魅力を語り終え、質問コーナーに移った時だったろうか。

それまでお店の片隅で話を聞いていた店主のヴィクトリアさんが、突然「私はダーチャ嫌いです!」と、まさかの発言。子どもの頃ダーチャに駆り出されて畑仕事を手伝わされたのが、いかに嫌だったかをとうとうと語り出し、凍りつく会場(笑)。私はもっと激しいダーチャ批判を耳にしたことがあるので興味深く拝聴していたが、主催者はさぞや冷や汗ものだったろう。

その後、「ミンスク」ファンのサブリナ・エレオノーラ先生の音頭で、『プロコフィエフ短編集』出版記念の会、2019年にお店がロシア大使館近くに移転してからは『猫のユーユー クプリーン短編選』の脱稿祝いと出版祝いもここで開催。結局、出版祝いを開いた2021年12月が、最後の「ミンスク」訪問となり、コロナが落ち着いたら「ミンスク」でゆっくりディナーを‥という友人たちとの約束を果たすことは叶わなかった。

2002年の開店からちょうど20年。限りなく本場に近い家庭の味、食欲をそそられるセンスのいい盛りつけ、可愛らしいインテリア、気配りのあるサービス。どれをとっても申し分なく、居心地のいい素敵なお店だっただけに、なくなってしまうのは寂しいが、移転早々のコロナ禍、ウクライナ侵攻の余波など、さまざまご苦労があったこととお察しする。20年間お疲れさまです。おいしいお料理と楽しい時間を、ありがとうございました!

「ミンスクの台所」公式サイト
メニューやお店の歩みなどがまだ見られます。(2022年5月27日現在)

●「ミンスクの台所」過去記事一覧
2009年訪問記
「ミンスクの台所」
2019年訪問記
「ミンスクの台所 移転後初訪問」
2021年訪問記
「ミンスクの台所で人生の先輩を偲ぶ」
NHK「あさイチ」で紹介された「ミンスクの台所」レシピ再現
「ベラルーシの肉じゃがジャルコ―エ」
「ベラルーシのお好み焼きパプカ」
  
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