サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

ベルリン幻影

2006-04-24 | etc.
先週末、天気がよかったので、歩いて六本木ヒルズへ。
『東京ベルリン・ベルリン東京』展を見る。
呼応する芸術を通して二都市の変容をたどった大掛かりな展示で
見ごたえ十分、見るのに優に2時間はかかったけれど、
「懐かしい」という以上の感慨はもうもてなくなっている。

ドイツ狂いだったころ、ベルリンは憧れの都だった。
けれど1920年代のキャバレエめぐりをするうちに、
いつしかロシア・アヴァンギャルドと革命に興味はスライド。
そのうちリヒャルト・ゾルゲに出会って魔都上海に遊び、
あやうく満州まで行きそうになったが中国には入り込めず
ルビャンカにひき返し、うれし恥ずかしКГБの虜となったが最後。
こうなると文化・芸術より政治のほうがガゼン面白く、
勧誘を断りきれずにとっていた朝・毎・読に読みふけり、
そうこうするうちベルリンの壁は崩壊。
行きたかったベルリンには二度と再び戻れなくなったのだっけ。

東西の壁を見るかわりに、南北の壁DMZを見ることになろうとは、
ドイツ狂時代には思いもしなかった。
興味の連鎖は予測不能の旅であり、実に実に面白い!

同展でも、今の自分に最も共鳴しうると感じたのは、
日本人画家(なのか?)今和次郎の『モデルノロジオ(考現学)』。
昭和初期の銀座探索マップや「某家庭所有全品調べ」、
「四畳半の借間(彼女はオフィスガール)」などなど、
観察をイラストに落としこんでいく手法やら、
一見どうでもいいことを手間暇かけてやり極めるマニア気質は、
とても他人事とは思えんぞ!!