ここのところ、地球温暖化対策で話をする機会があって、いろいろとネットや文献を調べまくっていました。
そんな中、なぜ菅総理は「2030年に2013年比で46%削減などという中途半端な数字を示して公約したのか」ということがずっと気になっていました。
昨年の10月の菅総理所信表明では「2050年にカーボンニュートラルを目指す」という、やや遠い目標が示されたものの、そのときは2030年の目標は、2013年比で26%削減と言う現実的な数字のままでした。
それが今回、ある程度お土産を持ってゆく必要はあったのでしょうけれど、どうして46%だったのか。
それが、調べているうちにたどりついたNHKの「持論公論」の4月27日放送、「"2030年46%削減"脱炭素社会への道筋は?」という番組のアーカイブを見ていてようやく腹落ちしました。 → 「"2030年46%削減" 脱炭素社会への道筋は?」(時論公論) | 時論公論 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
この解説のなかに、下記のような図がありました。
今までは2030年に26%削減だったのを2050年に実質ゼロにすると表明したことで、2030年以降は急激に削減割合を増やさなくてはならない未来像でした。
それが今回、改めて2050年実質ゼロを最終の目的とすると、2013年から2050年までの37年間という余裕期間のうち、17年が経過するのが2030年ということになります。
そして2030年時点の目標数値を出そうと思うと、2013年を100として2050年をゼロとする直線を描いたときに、2030年時点と言うのは、37年間でゼロにするうちにすでに17年たった時点の数字と言うことになります。
よって、100×17÷37=45.94≒46%削減されているはず、というのが46%の根拠と言うわけです。
しかし小泉環境大臣までが「頭に浮かんだんですよね」などと訳の分からない発言をするから説得力も何もありません。
2030年時点の数字は、2050年までの強い意味を持つ中間目標になりました。
しかしこの46%と言う数字は、理屈と絵姿は美しいですがあと9年で達成するにはかなり難しい数字です。
実際サミットまでに経済産業省では「2030年までに40%削減なら積み上げられる」と報告をしていたようですが、政治主導で46%まで、実現性の高い数字にさらに6%を上積みした形です。
一部のネットニュースには、政府首脳の間で「40%まではなんとかなると聞いていたけど、あとの6%はどうするの?」「それは環境省になんとかしてもらおう」という会話があったとかなかったとか…。
いずれにしても電力の脱炭素化はかなり急務ですし、その実現のためには、新築家屋には屋根への太陽光パネルを義務化してはどうか、という話も出ているそうです。
それくらい強力な制度を作りでもしない限り、達成はかなり難しい目標が掲げられました。
省エネ+創エネにどこまで国民の協力が得られるか。
厳しい時代になりました。
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