札幌で開かれた地域SNSに関するフォーラムに参加しました。
タイトルは「地域SNSは『地域力』に貢献出来るか」というもの。この3年間、北海道の地域SNSとして活動を続ける「北海道どっとねっと」の活動を振り返り、あらためてそれは地域に対して貢献できているのだろうか、というテーマでの意見交換です。
まず最初にネット上で”Helvetia”というハンドルネームで参加してくださっている元大学教授から現代のグローバル社会とそのなかの北海道について、という話題提供がありました。
Helvetiaさんは、北海道生まれですが長く北海道を離れていて、ネット上で北海道を語るSNSに興味を持って参加したということで、まさにネット時代だからこそできた縁で今回登場して頂いたのでした。
スイスにお詳しくて、面積が北海道の半分で人口は北海道の二倍というスケールで世界に冠たる独立国となっているスイスになぞらえて、分権を目標とするよりも分国くらいをイメージするくらいでよいのではないか、というご意見でした。
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私も話題提供者として、「『どっとねっと』の問題解決能力と生涯学習」という話題提供をしました。
そのエッセンスは、①ネットというツールを使い、②一人一人がネットでのリテラシーを持ち、③知恵や知識を持ち寄る「集合知」を形成すべきだ、というものです。
集合知は、
①多くの人から収集した個々の判断や知識を蓄積し、
②ディスカッションなどを通じて間違った情報を削ぎ落とし、
③最終的に個々の知識だけでは創造できなかったより高い次元の知識や最適な解を導き出すこと、と考えられますが、このことがネット時代にはとても易しくなりました。
既にブログや掲示板、2チャンネルや価格ドットコム、アマゾンなど、ネットを介してたくさんの参加者による多くの情報が集まることで、より高いレベルの知恵や知識に到達することができるようになりました。
地域SNSも多くの参加者が情報を交換するという意味では似たような形をしていますが、上記のような物とは少し様相が違います。
それは参加者が上記に比べると少ないですし、エリアの話題も地域が中心になるということで、昨日としては①つながりを開拓する橋渡し(Bridging)機能と②つながりを強化する(Bonding)機能に多くの期待があるようだからです。
人と人の新たなつながり形成やその強化はどのように地域の活性化に貢献すると言えるのでしょうか。
続いての車座討論で、私は一つの事例を挙げました。
「世の中のことを『物事(ものごと)』と言いますね。これはモノとコトが合わさってできている言葉です。モノとは実物であり実体であり、コトとはそれらを介在して起きている現象と考えられます」
「ネットで交流が盛り上がっているというのは、コトが盛んになっているということですが、それが実体としてのモノの付加価値を生むとかモノの価値を知らせることになるということになって初めて地域に貢献したと言えるのだと思います」
「北海道の農産物も安全で安心、美味しい、というだけでなく、それを加工して付加価値をつけたり、その意義をより多くの人に伝えるようなコトにネットが貢献出来るように努力をしたいものです」
ネットがネットでいる限りは盛り上がってもただの現象ですが、それが自分自信の向上や経済の発展などの実体に結びついて価値を生み出してこそ、社会の発展があるといえるでしょう。
ネットの負の面を押さえつつ、効果的に使いたいものです。
地域SNSの走りの一つであるe-じゃんも頑張っていますね。掛川くらいの都市規模の方が、会おうとする時にもすぐに会えるので都市のサイズによる向き不向きもあるような気がします。
また遊びに行く時はお訪ねしますね。