北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「好きなようにしたいんじゃ」

2021-01-05 23:43:02 | Weblog

 

 元旦に会ったばかりですが、夕方に両親の家を訪ねて様子を見に行きました。

 この数日間に降った家の周りの雪は契約業者がちゃんと運搬排雪をしてくれていたので安心。

 ところが「何か変わったことはあったかい」と訊くと、「昨日病院へ行ってきたよ」と母。

「なに、どうしたの?」
「いや、爺ちゃんの膝が痛いのと手術の後の眼科検診があったのさ。S(弟)に頼んで来てもらったさ」

 弟はお正月明けから完全在宅勤務になったので、比較的時間が自由になるのです。

「爺さんの膝はそんなにひどいのかい?」
「うん、昨日ちょっと降った雪の雪かきも『膝が痛い』って言ってできないのさ。で、私も右の膝が少し痛かったから、一緒に整形病院に行ったのさ」

「病院に行けば治るの?」
「二人とも膝に水が溜まって痛いんだから、水を抜けば楽になるの。私はちょびっとだったけど、じいちゃんは100ccくらい抜いたよ」

 会話が安心できるのはすっかり母親の方になりました。

「もう爺ちゃんが頑固で困るわ」と母。

「何があったの?」
「整形外科病院まで歩いていくってきかないのさ。ワンメーターなんだからタクシーで行きなさい、って言っても、『もったいない』ってタクシーじゃ行かないんだって。それでSに頼んだんだけどね」

「頑固は老化の証なんだな」
「まあひどいよ。車を止めるところの屋根から『雪下ろしをするんだ』ってきかないし、灯油が足りなくなっても買いに行かないで、『外のタンクから取るからいい』とかさ。まあ言う事聞かない!」

 先日は病院から歩いて帰ろうとして家の目前で行き倒れになりかけた父。

「爺ちゃん、どうなの?婆ちゃんの言う事を聞いた方が良いんじゃないの?」

 すると父が放ったのは「俺はもう好きなように生きるんだ」という一言。

「好きな様にって言っても、周りに迷惑をかけないことが前提でしょ、もう」と母もあきれ顔。

 長年連れ添た夫婦でも、いや長年一緒にいたからこそ、お互いの粗が見えるようになってしまうのでしょうか。

 父に似ている、と言われてきたこの私ですから、私も年を取ると頑固になるのでしょうか。

(まだまだ俺も若い)とか、(自分の方がちゃんとわかっているんだ)という思いは、年を取れば単なるおごりなのでしょうか。 

 「人の振り見て我が振り直せ」という諺が心に沁みる年になりました。
 

 

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