北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ついにやってみた「おむつ体験」 ~ 理性があるうちは簡単に排尿なんてできないわ

2023-04-06 23:33:07 | 介護の世界

 

 昨日おむつ体験の宿題について書きましたが、その勢いで昨夜おむつ体験をやってみました。

 まずはおむつの装着です。

 寝る前にトイレを済ませてから寝室で下半身裸になって、説明図を参考にしながらおむつを装着します。

 ちょうど孫がまだおむつをつけているので、前後に挟んで前でマジックテープを止めるというのはわかりますが、大人用は抑える面積が大きくてテープも上下に二つあります。

 実際につけてみると、慣れていないので体にフィットさせるのが難い。

 (ちゃんとつけられた)というつもりでもすこし動いてみると、腹回りがゆるゆるになってしまい、また締め直すことの繰り返し。

 少しずつ締め直してようやくフィット感が出ました。

 これでこのまま寝て朝起きたときに排尿してみることに。

 ところが普段から夜中に尿意で目が覚めがちなことに加えて緊張もあったのか、4時前に目が覚めてしまいました。

 こうなると、(いまやるしかない!)と思い、排尿を決意。

 しかしそのままベッドで寝ながらの排尿では、おむつの隙間からもしも水分が漏れ出した時に大変なことになると思い、畳の部屋に移動してそこでしてみることに。

 畳の上で仰向けになって、いざやるぞ!と決意はしたものの、やはり理性が邪魔をしてしまいます。

 本当に排尿を始めるまでには決心を繰り返して数分を要しました。

 そしていざ少しずつ尿を出し始めてみると、暖かいものが下腹部にまず貯まって広がりそこから低い方にじんわりと流れてゆく感触が広がります。

 体の上を暖かいものが広がって流れるというのは相当な不快感です。

 そのうちに温水が体の後ろから背中に回りこみました。温水は背中の上の方にまで浸みてくるのが分かり、(あれ?ここにおむつのパッド部分があったか?)と不安になりました。

 後で知りましたがこのときに背中とおむつの隙間から尿が少し漏れてパジャマを濡らしてしまっていました。

 しかしこの段階ではまだたまった尿全体の1/5も出していないのです。


 ここから先に安定的に外に漏らさずに排尿するためには、おむつのパッド部分を背中よりも低いところに位置させないと流れていかないということを理解しました。

 次の排尿からは背中を反らせて尻よりも少し上げるようにしながら排尿してみました。
 これで背中に回り込むことはなくなりましたが、まだ体内に溜まっている量全部を一気に放出すると大量すぎて吸水ができないのではないかという不安があります。

 意識して少しずつ少しずつ出してゆきますが、それはつまり不快感が何度も訪れるという事になります。

 相当の決意と勇気を出して理性を抑え込むという頭の中の葛藤は大きなものがありました。

  
      ◆

 
 数分かかってようやく出せるだけの全量を出した感じになりました。

 しかし宿題は「その状態で少し歩いてみること」とあります。

 幸いパジャマの背中が少し濡れましたが畳まで濡れるほどではありませんでしたが、とんだ粗相です。

 そのままの状態で部屋の中を少し歩いてみました。

 ぼてっとした重たいものが腰からぶら下がった感触がありますが、結構な量を出したはずの尿は吸い取られていて不思議とおむつの中が濡れている感触はありません。

 今日のおむつの性能は大したものだと感心するしかありません。

 嫌な感触が続いたこととパジャマに粗相をしてしまったことで気持ちはブルーになりましたが、宿題を終えたところで浴室へ向かってお風呂に入り体をあらって終了です。


 改めて考えたことは、寝ながら排尿するのは心理的に抵抗があること、また寝ながらの大人の量の排尿をおむつで吸収するためには装着の仕方をよほどしっかりしなければ漏れてしまうということ。

 さらに、自ら自分自身にやってもこんな調子ならば、他人におむつを当てるのはもっと大変な事だろう、ということでした。

 トイレでの通常の排尿は、尿は直接便器に落ちてゆくので体にはなんの皮膚感覚は生じませんが、おむつでの排尿となると一度体にまとわりついた液体がやがて吸収されてゆくまでの間の不快な時間を過ごさなくてはなりません。

 この不快感を一日に何度も繰り返すのは相当なストレスでしょう。

 まともな精神と自尊心と理性のある人にとっては耐えがたい苦痛だということがわかりました。

 たとえ親が認知症になったとしても気楽に「おむつしてもらうのも仕方がないよね」と軽々しく言う気にはなれないと思います。


 これもこれからゆく道なのかと思うと落ち込みます。

 少しでもこんなことにならないように、日ごろの健康にさらに気を付けようと思わせてくれるおむつ体験でした。

 それにしても、一度で十分、二度とやりたくはないのが本音です。


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