北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

老父と孫の別れ

2024-02-18 22:09:24 | Weblog

 

 同居している娘の旦那さんが中国赴任を終えて無事日本に帰国しました。

 それに伴って、娘と孫は関東で旦那さんと一緒に過ごすことになり、来週に札幌を離れることになりました。

 寂しくなりますが、ようやく家族が一緒になれるのですから仕方がありません。

 引っ越しの準備を進めながら、今日は私の実家と妻の実家に挨拶に行ってきました。

 
 実家へ着くと、父が外に出ていて駐車場のカーポートの雪を下ろそうとして手こずっていました。

 認知症が進んできていてかなり短期記憶が怪しくなっている父。

 しかし母によると、「こだわるところはすごくこだわるんだよ。例えば年金が下りたらもう『通帳に記帳しなくちゃいけない、行ってくる』って聞かないのさ。もうATMの前まで行っても操作もできないのにね。それにカーポートの屋根の雪が積もるともう『下ろさないと危ない、下ろしてくる』って言うんだよ。まあそれが気になって仕方がないんだね」とのこと。

 以前からそんな話を聞いていたので、(ああ、それか)と思って父に近づいて「屋根の雪下ろしなんて危ないよ」と声をかけました。

 そう言われると父は「そうか、年寄りにはもう無理か、はは、そうだな」と案外素直に作業をやめてくれました。

 こだわってみたものの、父もやってみると実際にはできないことに気がついていたのでしょう。

 でもそれもすぐに忘れてまたこだわり始めるのかもしれません。

 母は「朝に二回顔を洗っていたよ」と言い、ちょっと前のことももう忘れちゃうことが多いのだそうです。

 

     ◆


 
 もうすぐいなくなる孫ですが、孫がビーチボールを持ち出してくると嬉しそうにして、ビーチボールを転がし合って笑っていました。

 でも孫は今二歳半、この年齢なら多分この日のことを覚えていることはないでしょう。

 孫も老いた父のどちらも、今日のことは覚えていないんだろうな、と思いながら動画を撮りました。

 過去に生きるのはやめて、その一瞬一瞬を大切にしたいものです。

   

コメント
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