先日の介護の授業での一コマ。
「睡眠をちゃんととらないと健康でいられなくなる」という話から、質問で「先生はこれだけ勉強されて経験を積まれていますが、ご自身が高齢になった時にちゃんと睡眠をとって健康でいられる自信がありますか?」と訊いてみました。
すると先生は、「やっぱり自覚なんだと思います」ということから、下記のような話をしてくれました。
それは先生が介護をした高齢の女性の話。
その方は98歳まで生きられたのですが、90歳を過ぎても料理も家事も自分でやるという方でした。
その方は普段はソファに座って生活をしていたのが、怪我をして入院することになり座っているのではなくベッドでの生活を余儀なくされました。
その結果、寝ていたことで脚力が低下して、退院してからは満足に日常生活を送れなくなってしまいました。
子供たちが気を利かせて、家のソファは取り除かれてベッドに替えられてしまいました。
そこで今日の先生が介護に入ってお手伝いをしていると、「やっぱりこのままじゃ駄目よね」と言い出して、それからはベッドに座ると背もたれができるようにクッションを置いて、できるだけ座るようにしたところ少しずつ筋力が回復して再び料理ができるところまで回復したのだそう。
「だから、気構えと意識改革なんだと思うんです。このままじゃ筋力が衰えてしまって思うように動けなくなる、ということが分かっていれば、そうならないために体を動かすという事の大切さがわかり、動くようになる。でも勉強していないと、ただ日常に流されてしまってどうしたら良いかがわからない。歳を取っても勉強をするってそういう事だと思うんです」
歳を取るとどうなるのか、という、自分のこれからゆく道のことを知って準備しておくような気構えが大事なのだと先生はおっしゃいます。
介護の勉強を通じて、肉体と精神はどんな変化をしながら衰えてゆくのか、を知っておくのはやっぱり意味があるのだと思います。
まだ元気なうちに、体系的に老化と介護について学ぶことをお勧めします。