北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ススキノに残る昭和レトロな風景 ~ それもまた消えかけているわけで

2023-03-07 23:03:19 | Weblog

 

 コロナが収まりかけてきて、様々な会合が再開を始めています。

 今日はかつての職場のOB会の総会と懇親会が開催されましたが、ホテルの会場に集まって皆で飲むというのは3年ぶりの事でした。

 久しぶりの再会に喜ぶ人がいれば、今回は姿を見せず「あの人はどうしたろうね」と言う声もあり、3年の月日はけっこういろいろなことがあったようです。

 昔は元気はつらつとしていた先輩たちにも会って挨拶をしましたが、気がつけば「おいくつになりました?」「俺は75歳だよ」と、諸先輩も結構な年齢に達している方が多くなりました。

 考えたら自分もそれなりの年齢になっているわけで、この間に亡くなられた方もいて、時はある意味残酷でもあります。


     ◆


 一次会の懇親会が終わったところで、昔から気の合う先輩二人につかまって「よし、次はスナックで歌うぞー」とススキノに駆り出されました。

 釣れていかれたのはビルの地下の昭和時代の化石のような飲み屋街。

 行くぞ、と気勢を上げた先輩も「そういえばコロナがあったからやっているかなあ…」とここへきて弱気な声。

 恐る恐る歩きながら店を探していると…「おー、あった、やってる!」。

 先輩の昔の馴染みの店はまだありました。

 中へ入ると、10坪ほどのいかにも昭和レトロなママ一人のスナックです。

「よし、歌うぞ、小松、お前からイケー」と一次会で寄った一番年上の先輩はもうタガが外れかけています。

 ならば、と自慢の一曲で始めるとあとは久しぶりのカラオケ大会。

 こういう時間も忘れかけていましたね。

 時間が経つとママともうちとけて話すようになりましたが、なんと「このお店も3月一杯で閉じるんですよ」とのこと。

「ええ、コロナのせいですか?」
「ほんとにコロナのときはお客さんが来なかったけれど、止める理由は私が歳だから。もう後期高齢者よ(笑)」

 聞けばこちらに移ってきたのは15年前のことだそうですが、今月いっぱいでお店はやめて、神奈川のお嬢さんのところへ向かうのとか。

「お店はどうなるんですか?」
「多分次にはもっと若い人が入ると思いますよ。この飲み屋街もだいぶ若い人が入ってきてお客さんも若くなっていると感じますからね」

 今日日スナックなんて流行るのかな、とは思うものの、従業員を雇わずママ一人で切り盛りする分にはこういうところもやれるんですね。

「昭和がまた一つ消えそうですね」
「まあ時の流れですね」

 自分一人では来ようとは思わないけれど、釣れてこられれば(こういうのもいいなあ)と思うのは昭和生まれだからでしょうか。

 知らないところで懐かしい風景は少しずつ消えているのかもしれませんね。

  
 
 

コメント
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