今週末は、かつて助役として三年間勤務した掛川市で開催される「ゆるゆる遠州2017春」に参加してきます。
掛川は、私が助役として赴任した平成14年に、当時の榛村市長さんが「スローライフ運動」を始めましたが、そのときの一つがスローな移動手段の自転車でした。
スローと言うのは、ただスピードが遅いだけではなくてエコや環境や健康などにも配慮した意味をも込めていて、そういう意味で自転車は一つのスローのジャンルでした。
当時掛川では、「塩の道」という塩を内陸まで運んだ歴史街道による自治体連携の地域おこしをしていましたが、実際にほぼその歴史の道に近い道路を自転車で走り峠を越したイベントも行いました。
天竜浜名湖鉄道には、自転車をそのまま載せる実験イベントも行うなど、かなり先進的な取り組みをして、自転車の可能性を感じたものです。
掛川にはその頃から地域を自転車で廻って、景色の良いところや歴史的由緒のある場所などをチェックして、紹介してめぐるツアールートを模索するローカルのサイクリストたちが集まり始め、次第にそういう人たちが自分たちお薦めのサイクリングコースをガイドするという活動も盛んになっていきました。
そうした活動の延長線上に、多くの友人や掛川ファンを迎えて、地域のテーマをめぐるコースを地元のサイクリストがガイドするというガイドサイクリングというコンテンツができています。
掛川の取り組みは、自転車が好きな人が自転車で案内する、というサイクリスト的視点だけではなく、「わが故郷とは何か」「地域にはどんなポイントがあるのか」「故郷のテーマを豊かにするとはどういうことか」と、地域学を深く考える視点が備わっていることが、いや、それを先に考えていることが大切なポイントです。
こうした取り組みの素地として、掛川が長年取り組んできた生涯学習運動があることは明らかです。
もう掛川市民自身も気が付いていないかもしれませんが、あらゆることに関心をもって自ら実践して取り組むことを勧めてきた生涯学習運動は、精神の足腰が鍛えられていると感じます。
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さて、そんな背景を持った「ゆるゆる遠州2017春」。
ただ面白そうなコースを自転車で乗るだけでも良いですが、これで掛川に友人や恩人ができると、何度でも行きたくなる不思議な街、それが掛川。
今回私は、Gコースの「新茶摘みとローカルフード&カルチャーを巡る自転車旅」に参加することにしています。
懐かしい風景と古い友人に再開するのが楽しみです。