ちょっとした仲間の会合での勉強会。
今夜は北海道大学大学院工学研究院水環境保全工学研究室の高橋正宏教授をお招きして、「札幌の水道水はなぜおいしいの??」というタイトルでお話を伺いました。
札幌の水道水は実際美味しいということなのですが、水が美味しいということはどういうことなのでしょうか。
高橋先生によると、それは①適度なミネラル、②有機物を含まないこと、③見た目が清澄、④低めの水温ということで、札幌の水道水はこうした条件を備えているのだそうです。
札幌市の水道水の供給は98%が豊平川から得られていて、豊平川をせき止めている豊平ダムの上流は国有林が広がり人家が全くありません。
つまり汚す要素がないのであって、これだから豊平ダムもせき止められた水が腐敗する要素がありません。
とはいえ、豊平ダムの下流にある定山渓温泉や豊羽鉱山からは温泉水や鉱山からの金属要素が流れ込んでいるのですが、じつはそれは導水管で遥か下流の視線にまで導かれていて、途中の豊平川を汚さないような処理がなされています。
下水道の整備率も向上しましたが、札幌市の場合、下水道の処理水は豊平川の下流の支川に放流されていて市内中心部を流れる豊平川を汚さないような計画で進められています。
そのため市内で鮭が遡上するようなきれいな水が保たれているのです。
考えてみると、水源地の上流に人の活動がないような素晴らしい森林からもたらされる美味しい水を飲めるとは、札幌市とはなんと恵まれていることか。
高橋先生の話を聞いて改めて札幌の水道水を見直しました。
何気ないところに陰で支えている人たちや技術があって、高いレベルの幸せをもたらしてくれているのです。
これもまたインフラの力だと思いました。