北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

悪口には反応しない戦略

2014-10-27 22:06:35 | Weblog

 
 東洋経済オンラインに、『スタバが「ネガティブ広告」に反撃しない理由』という興味深い記事がありました。

【スタバが「ネガティブ広告」に反撃しない理由】
 http://toyokeizai.net/articles/-/51378


 『戦略は「一杯のコーヒー」から学べ!』の著者である永井孝尚さんに、コーヒーの裏側にある高度なビジネス戦略について語ってもらったものですが、企業が社会にいかに評価してもらい共感してもらえるのか、という内容を通じて、自分たちの生き方にも通じるものがあると感じました。

 
 2008年当時、スタバが業績不振で苦しんでいたときにライバルの米国マクドナルドはスペシャリティコーヒー市場参入を表明し、そのプロモーションの一環としてスタバの本拠地であるシアトルで、「4ドル(Four Bucks=starbucksの引っかけ)なんて馬鹿らしい。エスプレッソをどうぞ」という看板を100カ所に出したのだそう。

 話題づくりも兼ねたネガティブキャンペーンですが、スタバはこの広告に直接の反論をしませんでした。

 その代わりに、2008年11月の米国大統領選挙で事前に54%と低い投票率が予想されると、「選挙当日、店頭で『投票に行ってきた』と言えば、トールサイズ1杯差し上げます」というキャンペーンを行いました。当日飲まれたコーヒーは普段の2.5倍にのぼり、店内は活気に溢れたと言います。

 「スタバはこのイベントによって、莫大な予算をかけなくても来客数を増やし顧客と積極的に関わる方法があると学んだ」と永井さんは言います。


       ◆     

 
 さらに翌2009年に、今度は「地球温暖化防止のため、紙コップをやめてマグカップにしましょう。4月15日にマグカップを持ってきたらトールサイズ1杯差し上げます」というキャンペーンを全世界で行いました。

 単なるキャッチコピーの面白さや印象だけで自企業を売り込むのではなく、社会における役割を訴えかけることで企業価値を訴求するスタイルは、意識の高い人にこそより多くの共感を得るに違いありません。

 飲食店だったら、まずはお客さんに自店に来てもらい味わってもらわないことには自慢の美味しさも雰囲気も分かってはもらえません。

 そこで普通のビジネス戦略だったら半額セールやクーポンなどの発行で値段を安くすることで来店ハードルを下げることが多いでしょう。

 しかしそれを値段の魅力にしてしまえば、値段が元に戻ったときには魅力の柱を失ってしまうことになります。

 スタバがすごいのは、値段にかかわらずここでコーヒーを飲むという確固たるファンを獲得していることなのですが、そこには値段以外にも社会貢献や人道的貢献のために行動するという企業価値を訴求して、それでファンの心をつかんでいるところ。

 口でうまいことを言うよりも、一つの具体的な行動で考え方や思想を示すべきだということです。

 さて、では自分自身は悪口を言われるような事に対して、どう立ち向かえるでしょうか。

 男は黙って具体的な社会貢献活動といきますか。

コメント
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