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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

当世床屋事情

2005-04-10 23:24:35 | Weblog

 今日は朝からなんと「あられ」が降ってました。ほんとに寒いわ。

 さて、今日は
■当世床屋事情
■鬼雅の視点 の2本です。

【当世床屋事情】
 掛川へ行く以前から通っていた、こちらの床屋さんに顔を出して頭を刈ってもらう。

 掛川にいた頃には年に一度くらいしか顔を出していなかったのだが、それでも結構覚えていてくれていた。さすがは客商売である。

 「最近のお客さん事情はどうですか?」と訊いてみると、「いやあ、毎年じり貧ですよ、この業界も」とのことで、「昨日ですか、不況の業界として床屋とタクシーが取り上げられていたくらいですからね、全く…」と気勢が上がらない。

 「なぜですかねえ?景気ですか?それとも安くて早い床屋が流行っているからですか?」
 「それも確かにありますけど、最近は男の人でも若い人は美容室に流れているんですよね」

 「理容店と美容院の違いって何なんですか?よくわからないんですけど」
 「昔は美容はパーマができるとかいう違いがあったんですけど、今はほとんどそういうのはなくなりましたね。ただ美容は顔剃りができなくて、それは理容店しかできないということはありますけどね」

 「へえ」
 「今の時代に、床屋へ行くというのが古くさいのかもしれませんけどね。美容室に流れるというのも、店構えもファッショナブルだし、店の子もファッショナブルでしょ。ああいうのが流行なんですよね」

 「そう言えば確かに床屋さんの格好って旧態依然としてますよね」
 「床屋の雰囲気とか格好ってほとんど変わりませんよ。でも美容室は千差万別で、受ければ流行るんですけど、しかしお客さんの方も飽きが早いんですよね」

 「そうなんですか」
 「床屋のお客さんって、そうそう店を変えないんですけど、美容室へ行くお客さんは、二年も行くと新しい店を開拓するんですよね。だから同じ店に長く行かないんですよ。だから美容室も次から次にできるけれど、結構つぶれたりもしているんですよ」

 「へえ」
 「お店の子たちも若いでしょ?年をとった美容師っていないでしょ?床屋は結構年をとってもやっている人が多いけど、美容師は若い子ばかりですよ」
 
 「そう言えば、私が掛川で通っていたところのおじさんも今70歳で、75歳までは現役でいるつもりだ、と言っていましたよ」
 「ね?そういうものですよ」

 なあるほど。一通り刈ってもらって、さてお代はといえば「それでは顔を剃らなかったので2700円いただきます」
 「え~、安いですねえ。掛川では4000円近くしていましたよ」

 「それが普通だと思いますよ。でもここはなかなかそれではやれないものですからねえ…」

 月に一度は床屋さんへ言って、ご主人と談笑をしながら髪を刈ってもらうというのも、もはや文化でもなければ慣例でもないんだな。

 何でもありの世の中だけど、なんだかちょっとしたことを我慢して貫くところに「粋」がありそうだ。

 私くらいは浮気をせずに、床屋さんへ行き続けるぞ!


【鬼雅の視点】
 鬼雅からの応募小説の二話目が届きました。

 別に書評をしてくれ、と言うわけでもないけれど、素直に読んだ感想を伝えるのが礼儀というものでしょう。

 細かなミスや、プロットの不自然さを指摘したものの、全体的に暖かいものが伝わってきて、作者の社会への暖かな視点を感じました。

 掛川を舞台にしているとは、掛川人ならよくわかるモチーフが使われているのも、地元なら受けるのではないかな。

 何よりも、ここ数ヶ月間、私やNPOスローライフ掛川とその周辺の人たちと付き合ったことで社会に対する考え方がずいぶんと洗練されたように思います。

 何よりも、子供向けミステリーというジャンルなのだけど、探偵とその周辺人物のキャラがしっかりしてきて、だんだん独り立ちできそうな雰囲気が漂ってきました。

 もう少しボケやつっこみ、美人に悪人と周辺人物が増えてくるとさらにおもしろいことになりそうな予感は十分。

 しかも地域ミステリーと言うことであれば、掛川には遠州七不思議や神社仏閣にまつわる伝説もふんだんにありますし、歴史の話題もこれまた豊富。

 全く書くに不足なしというところにいるのではありませんか。

 そうして、ミステリーという形態をとりながら、社会のなかで一生懸命に生きている人たちへの暖かいまなざしが注がれれば、読んだ後も爽やかさが残ります。

 うーむ、いいですねえ。ご当地ミステリーシリーズができそうですよ。

 なにより最後が暖かいのが良い。

 彼女自身も「日常のちょっとしたなぞの中に、人間の前向きさや真っ当さ、温かさ、生きることはなかなか捨てたもんじゃないよ、という思いを込めたい。それらをロジックに展開したい。そんな世界を目指します」という決意を見せてくれています。

 そう、この世の中はすねたりはかなんだりするものではなくて、生きるに値するものだということです。

 そして、そう言う社会をつくっているのは他人の集団ではなくて、自分自身がまさにその一員だということです。

 さてさて、これまた面白いことになるかも。

 スローライフNPOの本第二弾は、案外鬼雅の本かもしれませんよ。
 
 そうなることを期待しましょ。

    *   *   *   * 

 現地のスパイBからの情報で、「掛川市内の本屋さんに行ったら、掛川奮闘記に唐突に『助役本』という札がつけられていて笑えました」とのこと。

 そろそろ『前助役本』ということになるのではないかな?はっはっは。
コメント
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