駒子の備忘録

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『楽屋』

2021年10月18日 | 観劇記/タイトルか行
 赤坂RED/THEATER、2021年10月16日18時(初日)。

 死者の魂と生者の魂が響き合う「楽屋」。四人の女優が紡ぐ生命の讃歌と鎮魂歌。「鏡の中の戦士たち」に捧げられた作品。
 作/清水邦生、演出/大河内直子、音楽/三枝伸太郎。1977年初演。全1幕。

 わりと最近観ていて、そのときの記事はこちら。今回は女優A/保坂知寿、B/大空ゆうひ、C/笠松はる、D/磯田美絵。
 配役発表前は「CかDの大空さんが観たい!」と思いましたが、まあ女優陣の年齢からしてBでしたよね…(^^;)まあ今後も座組によってはCが観られることもあるんじゃないかしらん、そんな再演を企画してくれないかしらん。もちろんこの作品の主役は三人姉妹を演じるABDである、という考え方もあるとは思うのですけれど、私が思うにやはり一番わかりやすく女優だと思うのがCで私は大好きなキャラクターなので、そんな大空さんが観たいとつい夢見たのでした。Dはやはり年齢的にはもう無理なのかな、役との出会いやタイミングってありますよねえ…
 それはともかく、そんなわけでオチもわかっているし前回観劇の記憶もまだあるし、「ほう、ここはこうしたか」「あれっ、ここってこんなだったっけ?」など思いつつ、楽しく観ました。
 今回の楽屋は小道具なのかなんなのか鏡台の他に植物らしきものがわさわさ置いてあるゴタゴタした空間で、コンセプトとしては廃墟だったそうですが、それは脚本のト書きにあるんだそうですね。「草の原に、墓標のように立つ、無数の鏡たち」…博品館版はもっとシンプルな印象だったので、そこも興味深かったです。また、Aの着物も博品館版はいかにも楽屋着にしている浴衣みたいなものに見えましたが、今回はわりときっちりと着ているようでした。Bがてろんとした楽屋ガウンみたいなのを身にまとっているのは同じかな。これはそれぞれ、当時の楽屋着の流行りを表現しているのでしょう。
 Cの私服も、博品館版ではこのあとはパトロンとの会食か恋人とのデートかな、と思われるものに着替えていましたが、今回は黒のパンツとセーターで、そのまま直帰かなと思われられました。このあたり、どうなんでしょう…?
 そしてラストは、博品館版の方がよかったかなあ…あの成仏表現みたいなのはあの時の演出なだけで脚本にはないってことなんでしょうか。今回は三人が正面に立って客席正面を向いているうちに暗転、で次に明るくなったらもうカテコだったんですよね。でも前回のあの、三人が斜めに向いて斜めに明かりが差してゆっくり暗転して、そのあと一度空っぽになった楽屋を見せてから再度暗転しておしまい…という余韻が私は忘れられないのでした。

 ともあれ、前髪をピンで上げて眉毛描いてそれが太く濃くなりすぎちゃってあわてるような、お人好しすぎて失恋が原因で自殺しちゃうような、いじらしげな大空さんが可愛かったので満足です。Cの笠原さんは劇団四季出身の方なんですね、そういう共演も嬉しかったことでしょう。
 男優さんがやるバージョンもあるんだとか。またいい感じに忘れたころに、違う座組や違う演出で観てみたい作品です。
 Dがゆうみちゃん、Cがゆきちゃん、Bがウメちゃん、Aがあゆっちとかどうかしらん…?



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