月刊誌「ミレニアム」の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表した。だが名誉棄損で有罪になる。そんな折、大企業グループの前会長から、およそ40年前、彼の一族が住む孤島で兄の孫娘が失踪した事件を調査してほしいと依頼される。ミカエルは受諾するが…
映画化もされているスウェーデン・ミステリーで、いつか読もうと思っていて手を束ねていたのですが、文庫が出揃ったようなので読み始めました。全6巻だそうですね。というか続く構想もあったのに作家が急逝しているんだとか? ひー、ちゃんとオチてるんでしょうね!?
また、私の中ではどういうわけか、これまたイメージだけで実はちゃんと見たことがないんだけれど『Xファイル』(この表記でいいのかもわからん…)と似たような作品なのかと思っていて、猟奇的な、あるいは超常現象すら絡むような犯罪というか事件を解決するようなコンビもの…というイメージを抱いていました。それは結局正しいのだろうか…? 物語を序盤を読む分には、なんの話になるのかさっぱりわからないというか、このミカエルが主人公でエリカが相棒なの?それにしては…と不思議な思いで読み進めました。
上巻の巻末にある訳者あとがきでやっと概要がなんとなくわかり、そのときにはリスベットというキャラクターにもう惹かれていたので、未だミカエルと邂逅していないような状態でしたが、そこからは信じて楽しく読みました。とりあえず第2部、第3部も楽しみです。
執筆に関しては「パートナーである女性の協力を得て」とありますが、彼女の影響はかなり大きいのではないでしょうか。推理小説が扱う題材として猟奇事件、かつ性犯罪が絡むものは決して珍しくないし、探偵役に女性キャラクターが配されることも最近は多くなってきましたが、この作品に関して言えばリスベットはもちろんミカエルの在り方の特異さが際立っていると思いました。
だって男性作家が、「美しくセクシーだが賢いとはいえない典型的な女性キャラクターの男性版としてミカエルを描」くことなんて、かつそれを明言することなんて、なかなかないことだと思うのですよ。そしてリスベットが「男性的」な部分を請け負っているんだけれど、もちろん単なる男女役割逆転だけではないところがいいんだと思うのです。
ミカエルのこの単純さ、気の良さ、人好きのするところは美点です。でも彼自身は男社会では苦労するんだろうなあ、事実男友達がいなさそうですし。でもそれを苦にしていなくて、女とゲイの同僚の間で自分にできる仕事をして楽しく生きてそれなりに幸せそうという、かなり変わった男性だけれど、決してファンタジーだとは思いません。こういう像がもっと描かれるといいと思うし、こういう人がもっと増えるといいと思います。親友で共同経営者で人妻のエリカとつかず離れずセックスしつつも恋人ではなくつきあっている、というのもなんかすごくわかる気がするし、ある種の納得ができました。
彼が囚われて裸にされて吊るされたところにリスベットが助けに来るところなんて、完全に単なるパロディですよね。そこまでさせる必要はない、でも立場が逆ならそういう場面があってなんら不自然と思われなかったことでしょう。このサービス場面(笑)の在り方に、私は本当にこの小説の新しさを感じました。もちろん男性でも性犯罪の被害者たりえる、ということを訴えるためにも必要だった場面なのかもしれませんが、きっと多分違うと思う。でもそんな作者の発想の柔らかさが愛しいです。
リスベットの謎というか過去というかはまだあまり明かされていませんが、くれぐれも彼女が、この先恋を知ってただの普通のよくある女になってしまうことのないよう祈っています。束縛とか嫉妬とか詮索とかするリスベットとか、ヤダわー。まあすでにエリカをそういう女性に描いていないので大丈夫かとは思いますが。
早く続きを買ってきたいです。お正月休みには読めるかな?
映画化もされているスウェーデン・ミステリーで、いつか読もうと思っていて手を束ねていたのですが、文庫が出揃ったようなので読み始めました。全6巻だそうですね。というか続く構想もあったのに作家が急逝しているんだとか? ひー、ちゃんとオチてるんでしょうね!?
また、私の中ではどういうわけか、これまたイメージだけで実はちゃんと見たことがないんだけれど『Xファイル』(この表記でいいのかもわからん…)と似たような作品なのかと思っていて、猟奇的な、あるいは超常現象すら絡むような犯罪というか事件を解決するようなコンビもの…というイメージを抱いていました。それは結局正しいのだろうか…? 物語を序盤を読む分には、なんの話になるのかさっぱりわからないというか、このミカエルが主人公でエリカが相棒なの?それにしては…と不思議な思いで読み進めました。
上巻の巻末にある訳者あとがきでやっと概要がなんとなくわかり、そのときにはリスベットというキャラクターにもう惹かれていたので、未だミカエルと邂逅していないような状態でしたが、そこからは信じて楽しく読みました。とりあえず第2部、第3部も楽しみです。
執筆に関しては「パートナーである女性の協力を得て」とありますが、彼女の影響はかなり大きいのではないでしょうか。推理小説が扱う題材として猟奇事件、かつ性犯罪が絡むものは決して珍しくないし、探偵役に女性キャラクターが配されることも最近は多くなってきましたが、この作品に関して言えばリスベットはもちろんミカエルの在り方の特異さが際立っていると思いました。
だって男性作家が、「美しくセクシーだが賢いとはいえない典型的な女性キャラクターの男性版としてミカエルを描」くことなんて、かつそれを明言することなんて、なかなかないことだと思うのですよ。そしてリスベットが「男性的」な部分を請け負っているんだけれど、もちろん単なる男女役割逆転だけではないところがいいんだと思うのです。
ミカエルのこの単純さ、気の良さ、人好きのするところは美点です。でも彼自身は男社会では苦労するんだろうなあ、事実男友達がいなさそうですし。でもそれを苦にしていなくて、女とゲイの同僚の間で自分にできる仕事をして楽しく生きてそれなりに幸せそうという、かなり変わった男性だけれど、決してファンタジーだとは思いません。こういう像がもっと描かれるといいと思うし、こういう人がもっと増えるといいと思います。親友で共同経営者で人妻のエリカとつかず離れずセックスしつつも恋人ではなくつきあっている、というのもなんかすごくわかる気がするし、ある種の納得ができました。
彼が囚われて裸にされて吊るされたところにリスベットが助けに来るところなんて、完全に単なるパロディですよね。そこまでさせる必要はない、でも立場が逆ならそういう場面があってなんら不自然と思われなかったことでしょう。このサービス場面(笑)の在り方に、私は本当にこの小説の新しさを感じました。もちろん男性でも性犯罪の被害者たりえる、ということを訴えるためにも必要だった場面なのかもしれませんが、きっと多分違うと思う。でもそんな作者の発想の柔らかさが愛しいです。
リスベットの謎というか過去というかはまだあまり明かされていませんが、くれぐれも彼女が、この先恋を知ってただの普通のよくある女になってしまうことのないよう祈っています。束縛とか嫉妬とか詮索とかするリスベットとか、ヤダわー。まあすでにエリカをそういう女性に描いていないので大丈夫かとは思いますが。
早く続きを買ってきたいです。お正月休みには読めるかな?
このブログを訪問するたびに「ラーソン」を「ソーラン」と空目します。
宙組ファンあるあるですかね?
それはともかく、続きを楽しみに読みたいと思っています。
それと、来年の『シトラス』でソーラン節をまたやって、宙組の伝統としていけばいい!と思っています!!
●駒子●