性に対して親から抑圧され続けてきた水葵は、通学の電車内でいつも同じ時間、同じ車両で見知らぬ男に体を触られていた。逃げることはできるのに、その行為を受け入れてしまう水葵。あるとき、水葵はその男、忍を見つけ出し、「取引」を持ちかけるが…
本当に今の世の中はシスへテロ男性優位に作られているので、我々女性も彼ら向けのエロを浴びるようにして育つのであり、そこから育ってしまう、冷静に考えたら我々が萌えるのは(濡れるのは)そこじゃないだろう、とつっこまざるをえないところに性的ファンタジーが花開いてしまうこともあるのだなあ…と、まず考えさせられた作品でした。この物語の冒頭が、「主人公が電車内での痴漢行為に感じてしまう」というものだったからです。なんらかの被害に遭ったことがない女性はいないのではないかというくらいに痴漢はポピュラーかつ劣悪な犯罪行為であって、それを気持ちいいからいいとか愛があるからいいとかとすり替えるのは言語道断なことなのですが、女性の女性による女性のためのBLにあってもこうしたシチュエーションがラブいものとして描かれてしまうのだなあ…とせつなく、悲しくなりました。ただ、一応救われるのは、この作品においてはふたりの電車内の痴漢行為はきっかけにすぎず、メトロもタイトルにあげるほど頻出するアイテムではないということです。これをきっかけに出会ったふたりが、お互いに関わりを深める中で、それぞれのトラウマなりなんなりを克服して、愛も実り新たな関係に踏み出していく…という物語は、ベタですがちゃんとしていて、丁寧な描写もややクールなペンタッチもほどよく、楽しく読みました。
献辞ページのレイアウトがとてもお洒落なのも印象的でした。他の作品も読んでみたい作家さんです。
本当に今の世の中はシスへテロ男性優位に作られているので、我々女性も彼ら向けのエロを浴びるようにして育つのであり、そこから育ってしまう、冷静に考えたら我々が萌えるのは(濡れるのは)そこじゃないだろう、とつっこまざるをえないところに性的ファンタジーが花開いてしまうこともあるのだなあ…と、まず考えさせられた作品でした。この物語の冒頭が、「主人公が電車内での痴漢行為に感じてしまう」というものだったからです。なんらかの被害に遭ったことがない女性はいないのではないかというくらいに痴漢はポピュラーかつ劣悪な犯罪行為であって、それを気持ちいいからいいとか愛があるからいいとかとすり替えるのは言語道断なことなのですが、女性の女性による女性のためのBLにあってもこうしたシチュエーションがラブいものとして描かれてしまうのだなあ…とせつなく、悲しくなりました。ただ、一応救われるのは、この作品においてはふたりの電車内の痴漢行為はきっかけにすぎず、メトロもタイトルにあげるほど頻出するアイテムではないということです。これをきっかけに出会ったふたりが、お互いに関わりを深める中で、それぞれのトラウマなりなんなりを克服して、愛も実り新たな関係に踏み出していく…という物語は、ベタですがちゃんとしていて、丁寧な描写もややクールなペンタッチもほどよく、楽しく読みました。
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