E.S.Arrow、2022年10月22日14時。
元宝塚歌劇団宙組娘役91期生の卒業10周年記念ライブ。編曲・構成/竹内一宏。
茶屋町アプローズの地下にあるライブレストランで、何度か居抜きで店名が変わっているようですが、スカステの音楽番組の収録に使われたり、OGのライブに使われたりしていたのでずっと気になっていました。ゲスト/澄輝さやとということで出向いてきましたが、やっと行けてよかったです。まあまあギュウギュウで6、70人くらい入っていたかな? ステージもいい感じの、素敵なお店でした。
バンドのベーシストさんが編曲や音楽監督めいたことはしてくれていたようでしたが、基本的にはえりぃのセルフプロデュース公演とのことで、センスいいなー!と感心しました。そして現役時代から好きだったけどあいからわず美声で高音も低音もよく出てまろやかで、体型も変わらずスッキリ美しく、目も耳も脳も幸せでした。もうちょっと長く在団していたらもっと歌手起用もされていただろう、と思うのだけれど、あのときが彼女の旅立ちの決意の時だったのだろうし、今もこうして芸能のお仕事は続けてくれているわけで、ファンは嬉しいよなと思ったりしたのでした。
開演ベルが『ベルばら』のリンゴ~ンと鳴るあのSEで、ヤバい小公子が来たらどうしよう、とか思いましたが、Act1のえりぃはシンプルな黒のドレスにアップスタイルの髪型で、ライブを終えてお疲れ気味の歌手が馴染みのバーを訪れて馴染みのバーテンダーを相手に昔語りをする…といった設定で展開されました。なのであっきーは声のみの出演。でも男役声でバーテンダーの台詞が聞こえてくるところから始まるものだから、心臓飛び上がりましたよね…!
子供のころによく聞いた、という形で、名前にも通じる「いとしのエリー」をスキャットふうに歌い、初めて宝塚歌劇を観た『浅茅が宿』から「ふるさとの歌」を歌い、初舞台の『エンター・ザ・レビュー』で袖から聞いていたという「我が心のアランフェス」を歌い…ちょいちょいいい合いの手トークを入れるバーテンダーの台詞と芝居がまたこそばゆい(笑)。でも来し方を語り行く末を改めて見つめ始めた女性は「Smile」「明日への手紙」を歌い、ちょっと元気になってバーを去る…そんなお芝居仕立ての30分に満たないくらいの一幕で休憩に突入。なんてお洒落!と感服しました。
Act2は照明によってはピンクにも見える白かクリーム色のレーシーなドレスに髪も下ろして登場、ディズニープリンセスキター!な『リトルマーメイド』の「パート・オブ・ユア・ワールド」からスタート。バンドの泡音も絶好調でした。そして最近ハマっているという中島みゆきの「ファイト!」。どういう選曲理由かはくわしく語られませんでしたが、日々をちゃんと生きて、今の世相その他に腹立たしいことがあるのだろうか…と思うと、その地に足ついた常識人っぷり、生活者の視線を頼もしく感じたりもしました。そして地声で歌うのも上手いんだこれがまた!
そこからはゲストのあっきーが黒スーツにボルドーのブラウス、ちょっとウェービーな長い髪をうなじで金のヘアアクセでひとつまとめにして、ちょっと『オーシャンズ11』フランク・カットンふうの男役スタイルで登場。まずは最近また再演が発表されて思い出が疼いたところだった『バレンシアの熱い花』より「瞳の中の宝石」。もちろんロドリーゴ・バージョンで、ロドリーゴにだけあるパートのソロから…! 瞬時にあのグレーの燕尾やフリルのブラウス姿が蘇りましたよね。というかあの全ツ初日、この会場の真上の梅芸で、あまりの麗しき貴公子っぷりに爆泣きしたよね私…あのときのシルヴィアはららたんでしたが、えりぃはタニ主演の大劇場公演時に新公シルヴィアだったんですよね(そしてあっきーは新公ではその弟のマルコス役だった…)。時空を越えた共演、沁みました…!
しかしトークとなるとなんかテレテレなのはおもしろかったです。芝居でもショーでもあまり組んだことがなくて…ということでしたが、男役と娘役は役付きのスピードが違うので、下級生時代だと同期で組むことはなかなかナイですよね。事実、えりぃはまゆたんと組んで踊るときに(名前は出さず「仮にMさんとします」としていましたが(笑))まゆたんについていたあっきーがタイミングの取り方や癖など完コピで練習相手になってくれて、おかげさまでカンペキだった、というエピソードを披露してくれましたが、そもありなんって感じでした…あとはこんなに細いのにリフトが上手くて信頼できるとかいろいろ持ち上げてくれるかと思えば、ゲスト打診をしたら「イヤイヤ私なんかでいいんでしょうか」とすごくネガティブな反応で…みたいなことも笑って暴露してくれて(笑)、トークの戦力にはまったくなっていないゲストを立てつつ話を楽しく回すえりぃがホント輝いて見えました。ちょいちょい関西イントネーションにもなっていたけれど、あっきーはよそ向き仕様になっているのか全然引っ張られていませんでしたね。
音校時代は数少ない寮外生として一緒に宝塚南口駅から登校していて、でも登下校中の私語厳禁だから誰かが遅刻して現れなかったりしたときのアイコンタクト技術が発達した、とかの話もおもしろかったです。あとは研3のときの余興の幹事でヤンキーというか不良のコンセプト?で揃えて、あっきーは特攻服にバッテンつけたマスク姿だったとか…ところで組宴会や余興もコロナ禍の今、失われて久しい文化なのかしらん? 心配だわ…
続いて『カサブランカ』より「過去は聞かない」。これはあっきーはスカステの音楽番組で歌っていたし、えりぃも新公イルザだったから、ということであっきーがセレクトしたそうですが、新公ではこのデュエットは丸々カットだったそうで、えりぃとしては懐かしかったわけではないけれど十数年越しにチャレンジできて楽しかったそうです、よかよか。ちゃんと青いスーツのリックと赤いドレスのイルザが見えましたよ!
そしてえりぃのお着替えタイムを捻出するために、なんとあっきーがソロを2曲もいただきましたえりぃファンの方々申し訳ございませんありがとうございました。最初はなんとお初の「朝日の昇る前に」…! まっすぐ歌っていても白スーツの後ろ姿が見えた気がしましたが、のちにお見送りのときにファンからもらったアドバイスを参考に、夜の回では背中を見せてから振り返って…という振りに変えたんだそうです。天才! ギャツビーはそうでなくっちゃね! 何故選んだのか、瀬奈版のファンだったのか、月城版は観たのかなども語れたらなおよかったと思うぞファンは基本的にまずヅカオタなんだから喜んだと思うぞトークがんばろうネ!
続いてお茶会などでも聞いた「ブルースレクイエム」。『ボニー&クライド』の、と紹介していたけど『凍てついた明日』だからあきちゃん! でも今度新作海外ミュージカルが上演されるネ楽しみだネ! 先日そらもトウコさんと歌っていましたが、やはり名曲ですね…! しみじみ。
そしてデコルテも肩も出した紺のドレスに着替えたえりぃが再登場して、ふたりで『モーツァルト!』より「愛していれば分かり合える」! 好きー!! ハモリも美しく、浸りました…! 大好きなデュエット曲をこのふたりで聴けて、本当に至福でした。
あっきー退場後は最近ハマっているというボサノバから「イパネマの娘」、そして自分の声で録音したコーラスに重ねて歌う「アヴェマリア」、ラストは坂本九の「心の鐘」でした。
アンコールには再びあっきーも呼んでもらえて、送り出し音楽は「さよなら皆様」で(笑)、お見送りもあって、お茶会とかこういうトーク・ライブみたいなイベントってホントいいよねまたやってー現役もー!と心底から思いました。
お見送りのときには「次は! 是非! ソロライブを!」と熱く要望をお伝えしておきましたが、例によって苦虫くんな困り眉でとんでもないと手をブンブン横に振っていました…どうしてこの人ってこう…(ToT)
まあでも久々に生で拝見して、やっぱり好きな顔と声と姿と歌と芝居心の人だ!と思ったので、気長に応援し続け見守り続け、またお手紙など書きたいと思いました。ホント『刀剣』なんぞに出ようとは、ほぼほぼ奇跡なのでは…!? でもせめて自身の卒業10周年にはなんかイベントしよう?と熱く願うことはやめられないのでした。
客席は会友の同窓会状態で、夜の回もハシゴするお友達たちと大休憩(笑)にHUBでプチ打ち上げもできて、楽しかったです。やはり入り出で並んでしゃがんだ仲は未だに熱いよ…! やはりこういう機会がときどきは欲しいものです。
えりぃ、ありがとう! また聴きに行きたいです!!
元宝塚歌劇団宙組娘役91期生の卒業10周年記念ライブ。編曲・構成/竹内一宏。
茶屋町アプローズの地下にあるライブレストランで、何度か居抜きで店名が変わっているようですが、スカステの音楽番組の収録に使われたり、OGのライブに使われたりしていたのでずっと気になっていました。ゲスト/澄輝さやとということで出向いてきましたが、やっと行けてよかったです。まあまあギュウギュウで6、70人くらい入っていたかな? ステージもいい感じの、素敵なお店でした。
バンドのベーシストさんが編曲や音楽監督めいたことはしてくれていたようでしたが、基本的にはえりぃのセルフプロデュース公演とのことで、センスいいなー!と感心しました。そして現役時代から好きだったけどあいからわず美声で高音も低音もよく出てまろやかで、体型も変わらずスッキリ美しく、目も耳も脳も幸せでした。もうちょっと長く在団していたらもっと歌手起用もされていただろう、と思うのだけれど、あのときが彼女の旅立ちの決意の時だったのだろうし、今もこうして芸能のお仕事は続けてくれているわけで、ファンは嬉しいよなと思ったりしたのでした。
開演ベルが『ベルばら』のリンゴ~ンと鳴るあのSEで、ヤバい小公子が来たらどうしよう、とか思いましたが、Act1のえりぃはシンプルな黒のドレスにアップスタイルの髪型で、ライブを終えてお疲れ気味の歌手が馴染みのバーを訪れて馴染みのバーテンダーを相手に昔語りをする…といった設定で展開されました。なのであっきーは声のみの出演。でも男役声でバーテンダーの台詞が聞こえてくるところから始まるものだから、心臓飛び上がりましたよね…!
子供のころによく聞いた、という形で、名前にも通じる「いとしのエリー」をスキャットふうに歌い、初めて宝塚歌劇を観た『浅茅が宿』から「ふるさとの歌」を歌い、初舞台の『エンター・ザ・レビュー』で袖から聞いていたという「我が心のアランフェス」を歌い…ちょいちょいいい合いの手トークを入れるバーテンダーの台詞と芝居がまたこそばゆい(笑)。でも来し方を語り行く末を改めて見つめ始めた女性は「Smile」「明日への手紙」を歌い、ちょっと元気になってバーを去る…そんなお芝居仕立ての30分に満たないくらいの一幕で休憩に突入。なんてお洒落!と感服しました。
Act2は照明によってはピンクにも見える白かクリーム色のレーシーなドレスに髪も下ろして登場、ディズニープリンセスキター!な『リトルマーメイド』の「パート・オブ・ユア・ワールド」からスタート。バンドの泡音も絶好調でした。そして最近ハマっているという中島みゆきの「ファイト!」。どういう選曲理由かはくわしく語られませんでしたが、日々をちゃんと生きて、今の世相その他に腹立たしいことがあるのだろうか…と思うと、その地に足ついた常識人っぷり、生活者の視線を頼もしく感じたりもしました。そして地声で歌うのも上手いんだこれがまた!
そこからはゲストのあっきーが黒スーツにボルドーのブラウス、ちょっとウェービーな長い髪をうなじで金のヘアアクセでひとつまとめにして、ちょっと『オーシャンズ11』フランク・カットンふうの男役スタイルで登場。まずは最近また再演が発表されて思い出が疼いたところだった『バレンシアの熱い花』より「瞳の中の宝石」。もちろんロドリーゴ・バージョンで、ロドリーゴにだけあるパートのソロから…! 瞬時にあのグレーの燕尾やフリルのブラウス姿が蘇りましたよね。というかあの全ツ初日、この会場の真上の梅芸で、あまりの麗しき貴公子っぷりに爆泣きしたよね私…あのときのシルヴィアはららたんでしたが、えりぃはタニ主演の大劇場公演時に新公シルヴィアだったんですよね(そしてあっきーは新公ではその弟のマルコス役だった…)。時空を越えた共演、沁みました…!
しかしトークとなるとなんかテレテレなのはおもしろかったです。芝居でもショーでもあまり組んだことがなくて…ということでしたが、男役と娘役は役付きのスピードが違うので、下級生時代だと同期で組むことはなかなかナイですよね。事実、えりぃはまゆたんと組んで踊るときに(名前は出さず「仮にMさんとします」としていましたが(笑))まゆたんについていたあっきーがタイミングの取り方や癖など完コピで練習相手になってくれて、おかげさまでカンペキだった、というエピソードを披露してくれましたが、そもありなんって感じでした…あとはこんなに細いのにリフトが上手くて信頼できるとかいろいろ持ち上げてくれるかと思えば、ゲスト打診をしたら「イヤイヤ私なんかでいいんでしょうか」とすごくネガティブな反応で…みたいなことも笑って暴露してくれて(笑)、トークの戦力にはまったくなっていないゲストを立てつつ話を楽しく回すえりぃがホント輝いて見えました。ちょいちょい関西イントネーションにもなっていたけれど、あっきーはよそ向き仕様になっているのか全然引っ張られていませんでしたね。
音校時代は数少ない寮外生として一緒に宝塚南口駅から登校していて、でも登下校中の私語厳禁だから誰かが遅刻して現れなかったりしたときのアイコンタクト技術が発達した、とかの話もおもしろかったです。あとは研3のときの余興の幹事でヤンキーというか不良のコンセプト?で揃えて、あっきーは特攻服にバッテンつけたマスク姿だったとか…ところで組宴会や余興もコロナ禍の今、失われて久しい文化なのかしらん? 心配だわ…
続いて『カサブランカ』より「過去は聞かない」。これはあっきーはスカステの音楽番組で歌っていたし、えりぃも新公イルザだったから、ということであっきーがセレクトしたそうですが、新公ではこのデュエットは丸々カットだったそうで、えりぃとしては懐かしかったわけではないけれど十数年越しにチャレンジできて楽しかったそうです、よかよか。ちゃんと青いスーツのリックと赤いドレスのイルザが見えましたよ!
そしてえりぃのお着替えタイムを捻出するために、なんとあっきーがソロを2曲もいただきましたえりぃファンの方々申し訳ございませんありがとうございました。最初はなんとお初の「朝日の昇る前に」…! まっすぐ歌っていても白スーツの後ろ姿が見えた気がしましたが、のちにお見送りのときにファンからもらったアドバイスを参考に、夜の回では背中を見せてから振り返って…という振りに変えたんだそうです。天才! ギャツビーはそうでなくっちゃね! 何故選んだのか、瀬奈版のファンだったのか、月城版は観たのかなども語れたらなおよかったと思うぞファンは基本的にまずヅカオタなんだから喜んだと思うぞトークがんばろうネ!
続いてお茶会などでも聞いた「ブルースレクイエム」。『ボニー&クライド』の、と紹介していたけど『凍てついた明日』だからあきちゃん! でも今度新作海外ミュージカルが上演されるネ楽しみだネ! 先日そらもトウコさんと歌っていましたが、やはり名曲ですね…! しみじみ。
そしてデコルテも肩も出した紺のドレスに着替えたえりぃが再登場して、ふたりで『モーツァルト!』より「愛していれば分かり合える」! 好きー!! ハモリも美しく、浸りました…! 大好きなデュエット曲をこのふたりで聴けて、本当に至福でした。
あっきー退場後は最近ハマっているというボサノバから「イパネマの娘」、そして自分の声で録音したコーラスに重ねて歌う「アヴェマリア」、ラストは坂本九の「心の鐘」でした。
アンコールには再びあっきーも呼んでもらえて、送り出し音楽は「さよなら皆様」で(笑)、お見送りもあって、お茶会とかこういうトーク・ライブみたいなイベントってホントいいよねまたやってー現役もー!と心底から思いました。
お見送りのときには「次は! 是非! ソロライブを!」と熱く要望をお伝えしておきましたが、例によって苦虫くんな困り眉でとんでもないと手をブンブン横に振っていました…どうしてこの人ってこう…(ToT)
まあでも久々に生で拝見して、やっぱり好きな顔と声と姿と歌と芝居心の人だ!と思ったので、気長に応援し続け見守り続け、またお手紙など書きたいと思いました。ホント『刀剣』なんぞに出ようとは、ほぼほぼ奇跡なのでは…!? でもせめて自身の卒業10周年にはなんかイベントしよう?と熱く願うことはやめられないのでした。
客席は会友の同窓会状態で、夜の回もハシゴするお友達たちと大休憩(笑)にHUBでプチ打ち上げもできて、楽しかったです。やはり入り出で並んでしゃがんだ仲は未だに熱いよ…! やはりこういう機会がときどきは欲しいものです。
えりぃ、ありがとう! また聴きに行きたいです!!