古美術商の夫カルロス・モンテロと、歳の離れた妻ロサリオは、あまり仲が良くない。そもそも貧しい家の借金肩代わりでロサリオはカルロスと結婚したようなものだった。カルロスは一家の主として威張っており横暴、幼い息子カルリトスが学校で盗みを疑われ傷つき帰宅したところを、息子の言い分も聞かずに頭ごなしに怒鳴るような男である。
カルリトスはそれで絶望し、家出をするが、彼を保護して家まで連れ帰ってくれたのが、林業を営むフリオという若い男だった。フリオとロサリオは惹かれあい、不倫の関係に。しかし、ロサリオは駆け落ちには踏み切れず、フリオは彼女の下を去って行く。
果たして20年後。カルロスとロサリオには、カルリトスともう一人、ミゲルという息子が大人になっており、2人とも医師になった。2人してカルロスの援助で診療所を開く計画になっていたが、カルロスの都合がつかなくなり計画はご破算に。
そこへ、ある男がミゲルにかなりの額の遺産を残したという知らせが入る。ミゲルはそれを元手に開業しようとする。面白くないカルリトス。しかもミゲルは、カルリトスが思いを寄せていた女性と婚約、結婚までしてしまう。
カルリトスは、ミゲルの遺産話に疑問を抱き、ミゲルの出生に秘密があると勘ぐる。そして、母ロサリオが夜中にフリオの写真を見て涙するのを目撃し、それは確信に変わるとともに、母への怒りを抱くのだが、、、。
ブニュエルが自身のサイアク作品と評した作品とのこと。、、、まあ、でもこれよりヒドイ映画はゴマンとありますけどね。
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そこまでヒドイ作品と言われると、逆に見たくなるのが人の情、ってもんです。
んまぁ、確かに、グッとくるものは何もない映画でした。ベタベタなメロドラマは別にいいけど、なんか、すご~く表層的な作品、という印象です。ストーリーだけ追っているような感じ、というか、、、。登場人物、誰にも共感できないしなぁ。カルリトス(覚えにくい名前だ)は、ちょっと気の毒な気はするけれど。
話が途中で一気に20年飛ぶんで、最初??という感じになります。ミゲルなんて息子が出てくるし。え、あの後、出来たってこと? つまりそれって、、、? と思ったら案の定、ミゲルはフリオの息子ということで。
紹介サイト等には、カルロスが20年前のロサリオの不貞を知っている、と書いてありますが、作品を見る限り、私にはそうは思えませんでした。ミゲルに突如遺産が転がり込んできても、カルロスは単純に喜んで「フリオはやっぱりイイ男だ」みたいなこと言ってるし。大体、あの手の男が、余所の男の子どもをそうと知っていて育てるなんて考えられません。どう見ても、ロサリオの胸に秘めたことだったと思われます。
でも、普通、あんな唐突に遺産もらったら、誰だってオカシイと思いますよねぇ。何でカルロスは疑わないのか。ミゲルも。
カルリトスと、ミゲルが、終盤カルロスが亡くなった後に、ミゲルの出生の秘密を巡って直接対決するんですけど、そこへロサリオが現れ、過去の不倫について涙ながらに「私が愛したのはフリオだけ!!」とか言って暴露すると、それに胸打たれた息子2人はあっけなく和解、、、という訳分からん終わり方です。母親の不倫話暴露って、却って揉めるんじゃないですかね、こういう場合。「愛してた」ってのが免罪符なんですかね?
というわけで、ストーリー的にも見るべきところはあんましないかなぁ、、、。ロサリオみたいな女は、私が一番嫌いなタイプだし。不義の子ミゲルは遺産は入るわ、好きな女性と結婚できるわで良いとこどり。正統派のカルリトスは不遇、、、ってんで、人生の不条理を描いている、ってことですかねぇ。それにしては浅いけど。
しかし、、、これがあの『忘れられた人々』の翌年に撮られたなんて、信じられん。うーーん、書きたいと思うことが、ホント見当たらない作品です、、、ごーん。
なんだかなぁ、、、が正直な感想。
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