映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

哭声/コクソン(2016年)

2018-08-04 | 【こ】



 以下、wikiよりストーリーのコピペです(青字は筆者加筆)。

=====ここから。

 何の変哲もない田舎の村、谷城(コクソン)。その村の中で、村人が家族を惨殺する事件が立て続けて発生する。容疑者にいずれも動機はなく、幻覚性の植物を摂取して錯乱したための犯行と発表されたが、謎の発疹を発症するなど説明しきれない不可解な点が多く残っていたことから、いつしか、村人たちの中では山中で暮らす謎の日本人(國村隼)が関わっているのではないかとささやかれはじめる。

 捜査にあたる警察官のジョング(クァク・ドウォン)は、オカルトじみたその意見を当初まともに取り合わなかったが、実際にその目で数々の異常事態を目撃したことにより、徐々に疑念を抱き、一度は断念した男の家への訪問を決める。そして通訳らとともに男の家を訪れたジョングは、得体の知れない祭壇や事件の現場を写した写真などとともに、娘ヒョジンの靴を見つけ、疑いを決定的にする。

 ジョングが男と関わってから高熱を発していたヒョジンはすぐに回復したものの、苦手な食べ物を食らい、ジョングに対しても普段は親思いの彼女からは想像できない罵詈雑言を吐くなど奇行を繰り返し、その体には一連の容疑者と同じ発疹が現れていた。そして、家族が目を離した隙に、怖れていた事件を起こしてしまう。

 事態を収拾するため家族が呼んだ祈祷師のイルグァン(ファン・ジョンミン)は、男をこの世のものではない悪霊だと断じ、抹殺のための儀式を行う。しかし、その最中に儀式の中止を訴え、苦しむヒョジンを見かねたジョングはイルグァンを追い出してしまう。一方、同じ時間に男も山中で儀式を行っていた。

 その後ヒョジンの容態はさらに悪化し、発疹も全身に広がっていく。娘を案じる一心で仲間とともに山中の家に押しかけたジョングは、ついに男を追い詰めるが…

=====ここまで。

 う~~む、この訳分からん感じのあらすじのとおり、作品も訳分からん度が高いオカルト・ホラー・コメディ(そんなジャンルあるのか?)でござんした。


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 面白い、スゴい、、、という噂の本作なので、韓国映画はあんまし見ない方だけど見てみることに。……いやはや、聞きしに勝るぶっ飛び映画で、度肝を抜かれるとはまさにこのこと。韓国、すごいわ、、、。こんな映画、日本じゃ絶対出てこないね、間違いなく。
 

◆グロいしエグいけど、面白い!

 序盤の展開から言って、ミステリーかと思って見ていたら、あらあら、ららら、、、へ??何コレ、ホラー?? いや、オカルト??となり、途中、ホラー調なのにメチャメチャ笑えるシーンも多々あり、もう、ぐぢゃぐぢゃ、、、グロもゲロも何でもアリ!!!みたいな展開に唖然となり、アッと言う間の2時間半が過ぎ去っていった、、、ひょ~~~。

 ……と、まるで説明になっていないけれども、まあ、でも仕方がない。そういう映画なんだから。

 一応、真面目なことを少しだけ書いておくと、本作は、きちんと謎解きがされないまま終わる。見た者は、「え、、あれ何だったん?」「何それ、どーゆーこと??」となる。でも、別に謎を解く必要はないし、そこに思考エネルギーを使ってももちろん構わないけど、本作は、この訳分からなさを堪能する映画だと、私は思った。

 つまり、制作側が、敢えて見る者を惑わせるように作っているのだから、それに乗っかれば良い、と思った次第。

 こういう“惑わせる”映画ってのは、やり過ぎるというか、やり方を間違えると、ヒジョーにムカつく映画に成り下がる(『ヴィレッジ』とか『サード・パーソン』とかね)んだけれども、本作は、そんな下手を打つことなく、実に巧妙に観客を誘導し、裏切り、煙に巻いており、その手管にまんまとハマるのが、むしろ心地良い。とにかく先が読めないし、何より(コレが一番大事だが)面白いのである、文句なしに。だから、ムカつかない。見ていて楽しいのだ(グロいけど)。

 本作の面白さは、やはり、韓国の因習に根差したおどろおどろしい呪いとか罰当たりとか狂気とか、そういうものが渾然一体となって、現代の文明社会に取り残されたようなド田舎の庶民の暮らしが根本から脅かされるという、その、リアリティがあるようなないような、、、“虚実皮膜”でありながら、結果的にはまるでリアリティのないトンデモ映画になっちゃっているところにある。身近に感じつつ(だから怖い)も、あまりのぶっ飛びぶり(だから笑える)に、何とも言えない違和感を覚えるのだ。そして、そこが本作の魅力であり、2時間半という長尺にもかかわらず、最初から最後まで一瞬たりとも観客を飽きさせることなく引きつける力を持っている所以だ、、、と感じた。

 ???な部分は多いけれど、決してグダグダの脚本ではなく、実によく計算された構成だとも感じた。中でも、國村隼の使い方が絶妙で、彼が一体何者なのか、というのが本作の一貫した謎の一つである。そして、その答えは明解ではない(見る者によって変わってくるだろう)。本作の、真の主役は國村隼だといっても過言じゃないのでは?

 上手に観客をミスリードしながら、怖がらせ、かつ面白がらせる。これは、相当の手練れによる脚本だ。素晴らしい。

  
◆笑っちゃったシーン

 と、ここからはネタバレです。

 私が笑いが止まらなかったシーンは2つ。最初は、ファン・ジョンミン演じる祈祷師の祈祷シーン。これ、もちろんファン・ジョンミンご本人はもの凄い真剣にやっているんだけど、面白すぎなんだよねぇ。いわゆる“トランス状態”ってやつだと思うけど、その雄叫びとか、踊りとか、もう圧倒されるくらいに凄い。でも、だからこそ、可笑しい。人間、大真面目に何かをやると、却って見いてる者には可笑しく見える、ってことがよくあるけれど、これもそんな感じ。

 祈祷シーンは2度あるけど、2度目のは最初のに比べると、さらにイッちゃってるので、もうヤバいなんてもんじゃない。笑うしかないでしょ、あそこは。時折、娘ヒョジンの苦しみのたうつ姿がフラッシュで挟まれるのがキツいけれども、ジョングを演じるクァク・ドウォンのただでさえコミカルなルックスが、恐れおののいて喚き散らすところに至っては、もう、ほとんどコントかよ、というくらいに振り切れてしまっている感じ。しかも2度目の祈祷シーンは、カットバックで國村隼がやはり祈祷するシーンが挟まるので、見ている方は混乱するのである。しかも、國村隼の演技もまた振り切れているので、唖然呆然、、、。

 あんな狂った状態を、あんな風に演じられたら、スクリーンに映るのは、ある意味究極のシーンになるわけで、見ている者の理性を破壊する。だから、笑っちゃうのである。

 もう1つは、ジョングが村の仲間達を引き連れて、國村隼演ずる日本人をやっつけに行ったら、謎のゾンビ男に遭遇した、、、というシーン。ジョングたち(5名くらいだったかな)と、ゾンビ男1人のグダグダな格闘シーンがあるんだけれど、もうこれがね、、、笑えるんですよ、マジで。このゾンビ、脳天に鍬をぶち込まれても死なない! ジョングの仲間の顔に食らいついて、その人の顔の皮がビヨ~ンて伸びたり、皆でゾンビ男と取っ組み合いになったり、もう、ほとんど意味不明なシーンなんだけど、あまりのグダグダぶりに笑っちゃう、、、んだよね。しかも、このゾンビ男の存在が、本作ではほとんどストーリーに何の意味も持っていないところがまたミソ。でも、このゾンビ男との格闘シーン、結構長かったゾ。まあ、このゾンビ男を、國村隼が祈祷によって世に産み出した、ということの様で、これがラストの國村隼のデビル化するシーンの伏線なのかも、、、だけれど。

 特筆事項は、狂ってしまった娘ヒョジンを演じた女の子。もう、あの『エクソシスト』リンダ・ブレアも真っ青な、すごい迫力! こんな演技、よく出来るなぁ、、、と感心してしまったよ、オバサンは。

 あと、どーでもよいけど、祈祷師を演じたファン・ジョンミンが、すごいセクシーだった! 私、韓国人の俳優さんの名前、ゼンッゼン覚えられない人なんだけど、ファン・ジョンミンの名前は一発で頭に入ったわ。それくらい、すごく渋くて素敵だった。カッコ良いと言えばカッコ良いけど、なんかこう、、、もっと内面的な魅力だよなぁ。本作を見て初めて知った俳優さんだけど、ファンになってしまったわ! 調べてみれば、私、同年代だし。あんな素敵な同年代の男性が身近にいたら、毎日楽しいだろうなぁ、、、と妄想。

 ちなみに、鑑賞後に町山氏のムダ話を聞いたところによると、あの謎の白装束の女性が、GODだそーです(と、監督自身が語っているらしい)。そして、冒頭の字幕にあるように、本作はキリスト教を背景にしており、國村隼はキリストでありデビルである、、、ということらしい。まあ、でも、私にはそんなことは、あまり大したことではないけどネ。








ファン・ジョンミンに祈祷されたい!!




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2 コメント

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やっぱセクシーな男はステキ☆ (すねこすり)
2018-08-09 23:53:35
たけ子さん、コメありがとうございます~♪
そう、ゲロゲロだったけど、すごい面白かった! 2時間半、ゼンゼン長さを感じませんでしたもの。
やっぱ、ファン・ジョンミンでしょ!
彼、ホントにセクシーです。役者としても素晴らしいけど、色気って作って出るものじゃないので、あれは彼の天性の魅力ですね。
ステキすぎて妄想オバサンになっちゃいました
「アシュラ」も見てみます!
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チョア♡ファン・ジョンミン (松たけ子)
2018-08-08 23:16:18
こんばんは!
私もコクソン好きです(^^♪
ゲロゲロ(死語)だけど、何か笑えますよね~。この映画って完全に笑い、狙ってますよね~。
ファン・ジョンミンの祈祷シーン、ゾンビ男、女の子のエクソシスト演技、ぜんぶ圧巻&爆笑でしなよね~。邦画では不可能なイカレっぷりに拍手です。
ファン・ジョンミン、いい男、いい役者ですよね~。いい人役の時も、何かちょっとフツーじゃないところが素敵。「アシュラ」の最凶、でも笑える悪党ファン・ジョンミンをぜひご堪能あれ~(^^♪
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