映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ディリリとパリの時間旅行(2018年)

2020-07-08 | 【て】

作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv67106/

 

 ベル・エポックと呼ばれる時代のパリ。ニューカレドニアから単身密航してきたディリリは、博覧会で先住民の暮らしのデモンストレーションに出演しているところを、配達人の青年オレルに声を掛けられ、会う約束をする。

 オレルの配達用三輪車のかごに乗せられ、パリ中を駆け抜けるディリリ。そこで、パリでは連続少女誘拐事件が起きていることを知る。それは、どうやら「男性支配団」と名乗る謎の集団が実行しているらしいと分かり、ディリリはオレルと共に連れ去られた少女たちを救出しようと動き出す。

 当時の美しいパリを背景に、また、当時のパリを賑わせた画家や俳優、作家、科学者等々、きら星のごとく著名人がディリリの協力者となり、ディリリが大活躍する様をファンタジックに描いたアニメーション。 


☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆゜'・:*:.。。.:*:・'☆゜'・:*:.。。.:*:・'゜☆


 公開当時、見たいなぁ~、と思いながら行けずじまいになってしまった。先月、早稲田松竹で緊急事態宣言解除後に上映していたのを知っていたが、それも行けず、結局Blu-rayで見ることに。

 ストーリー的には、悪くないけれども、まあ、正直言って平板な印象。ただ、それを補って余りあるアニメーションと音楽と演出が素晴らしく、見ていて非常に楽しい。

 アニメ(特に絵のみの)は基本的にあまり興味がないからとっても疎いので、ミッシェル・オスロ監督の名前も知らなかった。もちろん作品を見るのは本作が初めて。でも『キリクと魔女』や『アズールとアスマール』のタイトル名くらいは聞いたことがある。本作のBlu-rayにも『キリクと魔女』の予告編が入っていて、興味深く見た次第。

 背景は写真、人物はCGによる作画ということらしいが、この画面構成が気に入ってしまった。人物はどれも平面的で、色もベタ塗りなんだけれども、背景の写真も含めた色彩のセンスの良さは、さすがおフランス~、、、という感じで、実に美しい。

 あと、この時代にパリに実在していたであろう著名人たちが、これでもか、、、というくらいに次々にご出演なのも面白い。私でも分かるくらいだから、恐らく誰が見ても分かる様に、敢えて特に有名人を選んでいるのだろう。ミュシャやロートレックのポスターが街のあちこちに貼られていて、ロートレックのポスターからそのまま抜け出してきた人物がパブにいるとか、視覚的に楽しめて、ちょっとだけ知性を刺激するような作りが、まあインテリ受けしそうではある。

 視覚的に楽しいと言えば、小道具や部屋のインテリアなども実にセンスが良い。地下を巡る白鳥の乗り物や、男性支配団が乗っているモグラみたいな乗り物とか、サラ・ベルナールの私邸内の色彩豊かな部屋とか、カンカンを踊っている女性たちのドレスの色鮮やかさとか、何といっても終盤の飛行船とエッフェル塔とか、、、まあ、ホントに楽しいです、ハイ。

 つまり、本作は、アニメーション映画としてトータルで見るべき作品であり、昨今のLGBTや#Me Too運動を絡めて男性支配団の描き方がどーのとか、内容にツッコミを入れるのは野暮だ、、、ってことだろう。実際、私は、内容のアレコレはほとんどどーでも良い、という感じだった。

 ちなみに、日本語吹き替えの評判がまあまあ良いので一部吹き替えで見たんだが、ディリリは確かになかなか良かったんだが、オレルの斎藤工はイマイチなんじゃないかねぇ? ヒドいとは思わないけど、もっと上手な声優はいっぱいいると思う。

 エンディングの映像と音楽がまた良い。公式HPで見られるので、ご興味おありの方は今のうちにご覧あれ。ちなみに音楽は、ガブリエル・ヤレドというレバノン出身のお方。『イングリッシュ・ペイシェント』でオスカー受賞していると、初めて知りました。『イングリッシュ・ペイシェント』未見なんで、見てみようかな。

   

 

 

 

やっぱしスクリーンで見ておくべきだった、、、、。

 

 


 ★★ランキング参加中★★


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オレンジと太陽(2010年) | トップ | はちどり(2018年) »

コメントを投稿

【て】」カテゴリの最新記事