映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

見えない恐怖(1971年)

2022-11-10 | 【み】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv12281/


以下、TSUTAYAの作品紹介ページよりあらすじのコピペです。

=====ここから。
 
 イギリス、バークシャー。盲目の女性サラはある日、叔父一家のもとへ帰ってきた。

 そして翌朝、彼女は久々に厩舎を管理している恋人へ会いに行く。再会を喜び、楽しいひとときを過ごすサラ。こうして彼女は夕方に帰宅したが一家は不在で、先に寝入ってしまう。

 しかし、サラは次の日も外出先から帰ってくると、人の気配がないことに気付く。恐怖に駆られた彼女が家中を回ると、次々と死体に触れ、叔父たちが惨殺されていたことが判明。

 ショックとパニックに陥ったサラは、しばらくすると何者かが家に侵入してくるのを感じ取るのだが…。 

=====ここまで。

 
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 Twitterで時々映画の情報が流れてくるのだけれど、本作もその一つ。ちょっと面白そうかな、、、と思って検索したらTSUTAYAで借りられるので借りて見ました。

~~以下、ネタバレバレです~~


◆ミア・ファローの“見えない”演技

 『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)の3年後になる本作。ミア・ファローが“追い詰められヒロイン”を再び演じているが、彼女の表情は、こういうサスペンス映画にハマるなぁ、、、と見ながら終始感心していた。決してセクシーとは言えないのだが、なんかこう、、、庇護欲を搔き立てられるというか。

 今回のヒロイン・サラは盲目という設定で、見えない様をミア・ファローが上手く演じている。見えない設定の役でも“それ見えてるやん、、、”という演技をしてしまう俳優たちは多いが、ミア・ファローはかなり上手い。見える人が見えない人を演じるというのは、実は結構怖い(ぶつかるのが分かっているのに見えない設定だからずんずん歩かなきゃいけないとか、、、)のではないかと思うのだが、そういう点で、彼女は不自然さがほぼ感じられなかったのが凄い。

 だから、丸々一晩、3つの死体と一緒に過ごしてしまった後に、事実を知ったときのサラの驚愕のシーンは、画的には全然グロくないのだが、かなり怖い。ふと手で触れてしまった叔父さんの死体、、、従妹の死体、、、そら怖ろしい。

 本作では、ほとんどグロい映像もシーンもなく、映像の妙で見ているものをドキドキ・ハラハラさせることに成功している。

 冒頭から、犯人の足元だけ映るんだが、それが特徴的で、星のマークの付いたブーツを履いている。このブーツが映ると、ヤツが現れた、というわけだ。しかも、このブーツは、冒頭、ポルノ映画とホラー映画の2本立てを見た劇場から出てくるのだ。なんか、サイコ野郎なのでは、、、?と観客に思わせる仕掛け。

 サラが叔父一家が殺されていることに気付くシーンも、気付く瞬間は映らないのよね。気付いてバスルームからサラが血相を変えて飛び出てくる様を見せて、サラがようやく気付いたことを観客に分からせる。

 こういう、間接的な表現の仕方は割と好きだ。見ている者にジワジワと恐怖を感じさせ、ゾクゾクさせてくれる。


◆オチは普通

 で、犯人は誰か、、、ってのがオチなのは、割と普通な作りである。そこまで観客を引っ張る。最近のサスペンス映画だと、犯人が誰かは見ている側に考えさせるor想像に任せる、みたいなのもあるけど、本作ではキッチリ犯人が分かるようになっている。

 正直言って、なーんだ、、、という感じで、意外性はなく、オチにインパクトはほぼない。惹句にありがちな“衝撃の結末!”などではゼンゼンない。ないけど、観客を裏切ろうとして作っている映画ではないので、これはこれでいいのだ。観客を欺くことばかり考えている映画は見ていて嫌な気持ちになるので、そういう意味では本作は真っ当なサスペンス映画であります。

 ただまあ、動機も不明、ただの行き当たりばったり、、、ってのは、別に犯人に意外性を期待していないにしてもちょっと食い足りない感じはしたかな。ふーん、、、で終わってしまうという、、、。

 それまでの、ミア・ファローの追い詰められ感が凄いので、そっちを楽しむ映画でしょうな、これは。なので、サスペンスというよりは、スリラー系ですかね。


◆リチャード・フライシャー

 冒頭のポルノ&ホラー映画館から星マークブーツが出てくるとか、ジプシー(ロマ?)の男性が犯人と間違われるとか、殺されちゃった叔父さんもまあまあ差別主義者っぽかったりとか、ってのはありがちで差別的ではあるよね。ネットの感想で、“貧乏でホラー映画好きだと犯罪者扱いされる”と書いている人がいて、言い得て妙であります。

 印象的なのがラストシーン。まあ、見てのお楽しみなのだが、主人公が盲目であることを考えると、これはちょっと監督の悪意を感じるのだが、これって私の見方がひねくれすぎなんだろうか。

 監督は、リチャード・フライシャー。『ミクロの決死圏』(1966)『マンディンゴ』(1975)といった秀作を撮っているお方だが、こういうアバン・ギャルドを感じさせるクリエイターは尊敬するわ。彼は多作なので、未見のものがたくさんあるから、これからもぼちぼち見ていきたい。

 あと、どーでも良いのだけど、サラの恋人役の俳優さん、ノーマン・アシュレイ氏という方のようだが、終始イイ人で意外性なしなところが逆に意外という気もするが、顔がDAIGO(メンタリストじゃなくて竹下登の孫の方ね)に時々見えた。というか、かなり似ており、ところどころちょっと笑ってしまった。DAIGOって、よく知らないけど、顔はよく見ると割とキレイ系だよね。竹下さんの孫にしては長身だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

泥んこになって逃げまどうミア・ファロー、、、。

 

 

 

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2 コメント

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見えるのも恐怖 (松たけ子)
2022-11-11 22:34:17
すねこすりさん、こんばんは!
この作品、存じ上げなかったです!面白しろそうですね!60・70年代のミア・ファローは、いい仕事してますね。都会の病んだ妖精みたいな風貌、ニューロティックな役や演技が似合う。若い頃の彼女、ちょっと宮崎あおいに似て見えるのは私だけ?彼女のファッションも好きです。イギリスが舞台ってのにも惹かれます。
メンタリストのダイゴって最近見ないけど、何かやらかしたんでしたっけ?
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Unknown (すねこすり)
2022-11-13 22:08:23
たけ子さん、こんばんは☆
宮崎あおい、、、似てますかねぇ? どうも私は彼女の喋り方が苦手で。
ミア・ファロー、病んだ妖精って(*^-^*) 上手いこと言う、、、。
この作品も、結構地味ですけど、まあまあ面白かったです。
まだまだ知らないけど良い映画、一杯あり過ぎです。
メンタリスト君は、かなりヤバいこと言いまくっているみたいですね。
ああいう、炎上商法、さすがメンタリスト、メンタル強くないとできませんね。
勝手にやってろ、って感じですが。
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