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道聴塗説 その二 4


(東海道浮世絵の展示会パンフレット)


(台紙)


(切って貼って出来上がり)

昨日のはりはら塾の見学で、金谷宿大学の「駿遠の考古学と歴史」講座のS教授に会った。はりはら塾でも先生をしていて、その発表展示に立ち会っておられた。展示は中々力が入っていて、体験テーブルでは、子供を集めて簡単な歴史工作のようなことをして、人を集めていた。段ボールを張りつけて、山城の城址の高低差を表わしたもの。弥生式土器の写真を張りつけたボール紙で、簡単なジグソーパズルを作らせたり、色々面白いアイデアを見せてもらった。三枚の写真は、東海道浮世絵の展示会パンフレットを使った、糊とハサミの遊びで、こんなものを作らせながら、学ばせるアイデアに感心した。古文書の展示でも何か出来るかもしれない。

夜、金谷宿大学の教授会、いよいよ2年目に入る。

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「道聴塗説 その二」の解読を続ける。

邪境来たらば行者は散乱すべし。縦(たと)い行者は正念に住しても、魔境を見ることあらば、その来たるものは、天狗にも貉にもせよ、行者は魔を拝せずして、仏を拝すべし。
※ 邪境(じゃきょう)- よこしまな境地(心の状態)。
※ 散乱(さんらん)- 煩悩のために心が乱れて不安定であること。
※ 魔境(まきょう)- 悪魔や魔物の住む世界。


これ優婆掬多の魔境を拝して仏想をなすが如く、魔、必ず拝を受くるに絶えず、委頓して去るべし。或は魔即ち法界など観(み)せんは、聖道自力の用心なり。浄土門は臨終正念は如来ほかの摂護なれば、念仏申し往生を信ずる人の臨終に、悪相は無きことなり。
※ 優婆掬多(うばきくた)- 釈迦牟尼如来より第五代目の尊者。仏滅後に生まれ、真の仏陀の姿を見たいと、仏陀を拝したことのある第六天の魔王に頼むと、魔王はたちまち仏陀世尊の姿を現した。優婆掬多尊者はその姿を見ておのずから三拝せざるを得なかったという。
※ 委頓して(いとんして)- 放って、ただちに。
※ 法界(ほっかい)- 意識の対象となるすべてのもの。一切の現象の本質的な姿。
※ 聖道(しょうどう)- 聖道門。自ら修行して現世において悟りに到達しようとする自力の宗門。法相・三論・天台・真言宗などの聖道門の僧。
※ 浄土門(じょうどもん)-聖道門に対し、この世では悟りは開かないが、阿弥陀仏の本願力によって浄土に生れて、そこで悟りを開くという、他力の実践法を浄土門という。
※ 摂護(しょうご)- 摂取護念。仏・菩薩が行者を、おさめ取り、心にかけて守ること。
※ 悪相(あくそう)- 不吉な兆し。縁起の悪い現象。


何ぞ来迎の魔仏を論ぜん。この旨に於いて疑慮すべからず。もし疑惑するものは、仏智の不思議を信ぜざる故に、仏智と相去ること、甚だ遠し。これ故に邪魔を感ずべし。仏智を信ずれば、仏と行者と相応して、ただ一心なる故に、感応道交して諸仏を見るに、何の隙間ありて邪魔を感ぜんや。
※ 疑慮(ぎりょ)- 懸念する。心配する。
※ 邪魔(じゃま)- 仏道修行の妨げをする悪魔。
※ 感応道交(かんのうどうこう)- 人々の仏を求める心と、それに応ずる仏の心が通じ合い、一つに交わること。
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