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富士山とワンショット、妙善寺の多宝塔

(妙善寺の多宝塔)

「南アルプス市」とはよくも付けたものだ。2003年に山梨県の西部、中巨摩郡の6町村が合併して誕生した市である。ちなみに6町村とは八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町である。


(櫛形山)

妙善寺は南アルプス市の旧白根町にある。お寺としてはそんなに歴史のあるお寺には見えなかった。ただ、周囲に高い建物がなくて、西方には季節に山頂付近にアヤメが咲きほこる櫛形山が横に平な稜線を見せていた。

妙善寺は日蓮宗のお寺で、日蓮上人の銅像が立っていた。銅像の脇に「我日本の柱とならむ 我日本の眼目とならむ 我日本の大船とならむ」と刻まれた石碑が立っていた。「立正安国」とあるから、日蓮が書いた「立正安国論」から採った言葉なのだろう。この強烈な言葉は時の為政者からすればパラノイアのように見えただろう。数々の迫害を受けたのも無理ならぬ個性である。がっしりと大地を踏む銅像もこの石碑の言葉に呼応しているように見えた。

妙善寺の多宝塔は本堂手前の右手に建っていた。というよりも、この多宝塔が見えて妙善寺の場所を知った。多宝塔は平成10年に建立され、9年経ってネットの写真では鮮やかなベンガラ色に塗られていた柱も、早くも色が褪せて茶色になっている。屋根は銅板葺きで、相輪上部の水煙はまだ金色の輝きを失っていなかった。「納牌堂」という扁額が掛かっているから、位牌堂になっているのであろう。


(富士山とワンショット)

本堂側から写真を撮っていて大きな発見をした。下層の軒の下に何と富士山が見えているではないか。横に電線が何本か写り込んでしまうが、紛れもなく雪を頂いた富士山が存在していた。富士山とワンショットにおさまる塔は初めてであるし、そんなにめったにあるとは思えない。しかし、この富士山も建物が一棟建てば失われてしまう風景なのである。
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