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「嘉六舩難舩浦證文」の解読 11


嘉六舩難舩浦證文14P


嘉六舩難舩浦證文15P

「嘉六舩難舩浦證文」の続き、13P10行目途中より。

    差上申一札
一 私共儀、十月廿七日、浦賀湊ゟ出帆い多し

候処、折節(おりふし)大難風ニ而、昨晦日夜、沖合ニ而破舩
仕、右舩尻江取付、當濱江吹付ら連、水主共
拾壱人之内、拾人者相上り候処、早速御村役人衆御
立出被下、厚御世話之賄、難有仕合奉存候。且積
荷物之儀者、沖合ニ而相捨、當濱江相上り不申
候処、相違無御座候。舩可゛ら之儀者少々相上り、
高浪ニ而散乱以多し候処、夫々御人夫御掛り、御取
集被下置、仕合奉存候。然ル上者、此難船ニ付、如何様
申者有之候共、御村方江決而御苦労ニ相掛申
間鋪候。為後日、一札仍如件
        大坂道修町壱丁目
          嘉六舩沖舩頭
              弥四郎 つめ印
  嘉永二酉年
     十一月朔日
           水主 徳蔵  つめ印
           〃  長次郎 〃
           〃  甚兵衛 〃
   御役人中様

 【 読み下した文】

    差上申一札之事
一 私ども儀、十月廿七日、浦賀湊より出帆いたし

候処、折り節、大難風にて。昨晦日夜、沖合にて破船
仕り、右船尻へ取り付き、当浜へ吹き付けられ、水主ども
拾壱人の内、拾人は相上り候処、早速御村役人衆、御
立ち出で下され、厚き御世話の賄、有難き仕合わせ存じ奉り候。かつ、積
荷物の儀は沖合にて相捨て、当浜へ相上り申さず
候処、相違御座なく候。舩がらの儀は少々相上り、
高浪にて散乱いたし候処、夫々御人夫御掛り、御取り
集め下し置かれ、仕合わせに存じ奉り候。然る上はこの難船に付、如何様(いかよう)
申す者これ有り候とも、御村方へ決して御苦労に相掛け申す
まじく候。後日のため一札、仍ってくだんの如し。
        大坂道修町壱丁目
          嘉六船沖船頭
              弥四郎 つめ印
  嘉永二酉年
     十一月朔日
           水主 徳蔵  つめ印
           〃  長次郎 〃
           〃  甚兵衛 〃
   御役人中様

(15P1行目まで、以下つづく)

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