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「壺石文」 中 2 (旧)七月二十九日

(まーくん・あっくん運動会 / 写真は二人に無関係)

朝から、まーくん(小3)・あっくん(小1)の運動会で、掛川の小学校に行く。絶好の運動会日和で暑くて、まーくん・あっくんの徒競走を応援して、11時頃には帰った。年寄りは長居は禁物である。立って応援していると、小学校の上級生が、「どうぞ」と紙コップに冷たいお茶をくれた。どうやら、会場のお年寄りを見付けて配るように言われたのであろう。気の効いた計らいだと思うとともに、やっぱりたくさんの見物人の中で、しっかりと年寄に見えてしまったかと、少しショックであった。

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「壺石文 中」の解読を続ける。

(廿九日)夜嵐そゞろ寒く吹きて、、微睡(まどろ)まれざりければ、仮寝の心遣りに戯(たわぶ)れに作りける唐歌(からうた、漢詩)、三十年この方、ふつに物せざる技にしあれば、今は平仄も何も、むげに忘れにたるを、強いて思いめぐらして、
※ 夜嵐(よあらし)- 夜に吹く強い風。
※ 露(つゆ)- 打ち消しを強調する気持ちを表す。少しも。
※ ふつに(悉に)- まったく。全然。絶えて。
※ 平仄(ひょうそく)- 漢詩の近体詩における、平声字と仄声字の規則的な配列。
※ むげに -まったく。すっかり。


  荒野荒山擁古城    荒野荒山、古城を擁し、
  三春佳景動詩情    三春佳景、詩情動く。
  時今秋半無人賞    時今秋半ば、賞(ほむ)る人無く、
  神女廟前蟋蟀鳴    神女廟前に、蟋蟀(こおろぎ)鳴く。
※ 神女廟(しんにょびょう)- 日本では、さしずめ「弁天堂」であろうか。

など、猥りがわしくつづしるほどに、辛うじて明かくなれば発ちて、一里ばかり山路をく。とある岡の辺に、柴人の憩い居たるに語らい付きて、諸ともに烟り吹きつゝ、本宮へば、かく物すや、と問えば、我もかしこへ物すなり、いざ諸ともにをとて、先に立ちて行く。
※ 猥りがわしい(みだりがわしい)- 整理されていなくて乱雑である。
※ つづしる(嘰る)- ぽつりぽつりと歌う。口ずさむ。
※ 柴人(しばびと)- 柴を刈る人。柴刈り。
※ 物す(ものす)-(ここでは)行く。


うしろで軽ろげに見ゆ。この餌袋負いて給わらんやと言えば、いと易き業(わざ)にて侍りとて、取りて負いぬ。糟沢(かすざわ)という所にて、こゝより二本松領なりとぞいう。また阿武隈川を舟に乗りて渡りて、本宮の宿に至りて憩う。
※ 二本松領(にほんまつりょう)- 陸奥国南部、安達郡に存在した二本松藩の領地。丹羽家第九代藩主丹羽長富の時代。現、福島県二本松市に、居城二本松城(霞ヶ城)を置いた。
※ 本宮宿(もとみやしゅく)- 奥州街道45番目の宿場。


かの袋を負わせたる男(をのこ)に、あし(銭)与えんとするに、否とよ。絵にまれ、短冊(たにざく)にまれ、書いたる物を給いてよと乞う。乞うままに与うれば、いとど喜びて、いただき(巓)に捧げて帰る。
※ まれ -「もあれ」の転。…であろうと。…であっても。…でも。
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