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「文久元年記録帳」を読む 24


散歩道のアジサイ その五

「文久元年記録帳」の解読を続ける。

七月二日、慶才様見立、薬三丁。五日佐倉村医者見立、薬五服。
六日泰山様見立、薬三丁、粉薬弐服。九日佐倉医者見立、薬七服。
十日泰山様、粉薬三服。おとく(え)り、薬弐服。
袋井にて、疳(かん)の薬金弐朱買う。十三日大きに悪く、泰山様、
京才様立ち合いに、見立。十五日京才様見立。泰山様見立。
十八日慶才様見立。廿二日京才様、泰山様見立。
廿四日泰山様見立。八月三日袋井、疳(かん)の薬金弐朱なり。

古来稀なる米穀高直(こうじき)に付、大原良助、幸助、秋家、締め三軒、
秋米せり買い致し候、風聞の由にて、三日夜、前浜、市場、福島、
締め三町、小前一同にて打(ぶ)ち壊し致し候なるとも、表向きには相成り
申さず、下方(したかた)示談にて、事相済み申し候。
同六日明方、小売米御座なく候に付、私町内にても、西尾様
にて新米弐俵借用、金上(屋号)様にて、古米三俵借用。
壱軒分割り米、新五升七合三夕、古米六升。もっとも相場
の儀は、古米壱升代、弐百六十文、新米弐百文位の由。

八月廿七日、問屋衆代にて、佐倉、池新田、来稲問屋まで廻り
登り、荷物目切用意や運賃増、船中心付(こころづけ)など、願い申し候所、早速
※ 目切(めぎれ)➜ 目方が切れること。重さが不足すること。
聞き済ましに相成り申し候。晦日、ねぶと出来、慶才様切る。膏薬
弐具。同夕方、新兵衛様死去致す。九月五日まで者つと弐人にて手伝い。
香奠弐百文遣わす。

(つづく)

読書:「子授け銀杏 照れ降れ長屋風聞帖 6」 坂岡真 著

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