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「水濃徃方」の解読 77


(散歩道のルドベキア)

お昼頃から雷が鳴り、近くへ落ちたような雷鳴に驚き、パソコンを切って、座敷で寝転がって、外光を頼りに本を読んでいたら、そのまま昼寝になってしまった。昼寝から覚めたら、雨は上がっていた。

その後、掛川の娘が、えまちゃんを連れて、トウモロコシを届けてくれた。親戚の御前崎の農家から頂いたお裾分けと云う。毎年頂いている。えまちゃんは庭でカタツムリを二匹捕まえて、ケースに入れて持って帰った。雷雨につられて、表に出て来たのだろう。外にはダンゴムシが気になるようで、女房と話していた。

まあくんは中学に入り、野球部で背番号をもらったと喜んでいたが、スケボーをしていて、足の腱を痛めてしまったと聞く。治るにどの位係るかしれないが、残念なことである。張り切っていただけに、本人が一番残念がっているに違いない。

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「水濃徃方」の解読を続ける。

また、手代の上に置いて、伴頭、支配(しはい)なんど云うべき者は、よく人を取り立て、己れが才智に誇らず、心広き者あらばさせる。能無しと見ゆる者にても、人を引き廻わす器(うつわ)なりと知りて、申しつくべし。さて、主人たらん者は、骨折り事も家僕(かぼく)と同じく身を動かし、休息し、また酒食などある時も、家僕と同じく楽しみて、我が子なりとも衣食に隔てなすべからず。これ、武家と違う所ある教えなり。常に人を敬い、身をへり下り、夢にも家業を忘るべからず。只、人の長ぜる所をとりて、その短(たん)をとがめざる時は、よき家僕多く付きて、萬(よろず)の事、心ゆくものなり。
※ 支配(しはい)➜ 支配人の略。
※ 家僕(かぼく)➜ 家の雑用をするために雇われる男。下男。
※ 心行く(こころゆく)➜ 満足する。気持ちがよい。気が晴れる。

仮令(たとい)千金の富ありても、奢(おご)りの心一と度兆(きざ)さば、朝日の前の霜のごとく、金銀家蔵、一時(いっとき)に消失すると知るべし。この外の事は、家業に深く思い入れたる人には、おのずから商神(あきないがみ)の乗り移りて、教え給うなり。努々(ゆめゆめ)疑うべからず。これ大福帳の心なるべし。
 水能行邊巻之五 大尾(たいび)
※ 商神(あきないがみ)➜ 商売守護の神の総称。京都市伏見の稲荷神や、兵庫県西宮のえびす神、島根県出雲の大黒神などが、多くの信仰を集めた。
※ 努々(ゆめゆめ)➜(あとに禁止を表す語を伴って)決して。断じて。
※ 大尾(れい)➜ まったくの終わり。最後。終局。結末。
(「水濃徃方」おわり)

読書:「歴史のくずかご とっておき百話」 半藤一利 著
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