goo

「亜米利加応接書」 10

(散歩道のアザミの花)

ご近所から、手摘みのお茶の葉を頂き、夕食に天ぷらにしていただいた。今年もお茶の季節の到来である。今年はかなり生育が遅れているというが、今日はいよいよ新茶の初取引で、手摘み、手揉みで仕上げた「さえみどり」に、御祝儀で、キロ108万円の値が付いたと、夕刊に出ていた。過去最高値だという。機械もみで、八十八夜に語呂合わせで、8万8千円は判るが、108万円は何の語呂合わせだろうか。煩悩の数?
(夕刊によると、どうやら、茶寿の108歳に合わせたようだ)

********************

「亜米利加応接書」の解読を続ける。

一 殊にこの度、御開港御差し許し相成り候とも、一時に御開きと申す儀にはこれ無く候。漸々(ぜんぜん)時を追い、御開き相成り候様、致し候わば、御都合然るべきと存じ奉り候。

一 英国と条約御結びに候わば、必ず右様には相成り申すまじく、大統領も申し居り候。

一 なお、阿片の儀は合衆国の条約へ聢(しか)と御据え置かれ候わば、英国にて削り申すべく存じ候とも、相叶い申すまじく候。

一 国々より条約の為、使節差し越し候とも、世界第一の合衆国の使節と、かくの如く御取り極め相成り候旨、仰せ聞けられ候わば、決してその上かれこれは申すまじく候。

一 合衆国大統領は、別段飛び放れ候願いは仕らず、合衆国民人不過及なき平等の儀、御許しの程を、願い居り候事に御座候。
※ 民人(みんじん)- 国民。
※ 不過及なき - 正しくは「過不及なき(かふきゅうなき)」。適度である。ちょうどよい。


一 二百年前、ポルトガル人、イスパニヤ人、御放逐相成り候頃と、只今とは、外国の風習、大いに異り申し、その頃は、宗門の事を皆な願い居り申し候。
※ 放逐(ほうちく)- その場所や組織から追い払うこと。追放。

一 亜墨利加にては、宗旨などは皆な人々の望み候にまかせ、それこれ禁じ、または勧め候様の事、更にこれ無く候間、何を信仰致し候とも、人々心次第に御座候。

一 西洋にては、一方の宗門を外の宗に改め候ものこれ有り候とも、干戈を用い候様の儀は、当時決してこれ無く、その人の好みに任せ候儀に御座候。

一 当時(現在)欧羅巴にては、信仰致し候基本を見出し申し候。右は銘々心より信じ候故、その心に任せ候より外、致し方これ無しに決着致し申し候。

一 これを禁じ候も、また勧め候儀も致さず候。

一 宗門種々にこれ有り候えども、詰りは人を善く致し候趣意に付、かれを誹り、これを誉め、己れが門に引き入れ候は、宜しからざる人の所為にこれ有り候。
※ 所為(しょい)- しわざ。振る舞い。

一 亜米利加にては、仏の堂も、耶蘇の堂も、一様に並び居り、一目に見渡せ候様致しこれ有り、宗門に付、一人も邪心を抱え候ものこれ無く、銘々安らかに今日を送り申し候。
※ 耶蘇(やそ)- キリスト教。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「亜米利加応... 「亜米利加応... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。