平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「駿河安蘇備 上」を読む 37
図書館新年初日、午後、返却・貸出に行く
今年も図書館おみくじを引く
年賀状の返信で、訃報を知る。若い頃、共に山に登った先輩Kさんが、暮れに亡くなられた。享年96歳だったという。自分より20歳も年齢が上である。愛鷹連峰を縦走したとき、位牌岳山頂で、クリスチャンのKさんが釈迦像の手真似をしておどけておられたのを、昨日のことのように思い出す。あの日はKさん、58歳の誕生日だった。もう40年近く前のことである。昨年まで賀状も頂いていた。天寿を全うされたKさんのご冥福をお祈りします。クリスチャンなら何と言えばよいのだろう。
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「駿河安蘇備」の上巻の解読を続ける。
(「久能山」の項の続き)
それよりまた、雁木坂上がりて、唐銅の御鳥居あり。左の方に、
五重の塔、右の方に鐘楼あり。また七、八段、雁木坂を登れば、左右
石の瑞籬(みずがき)、左の方、御膳所、また御供所。御内陣まで廊下続木続き、右の方、
神楽所、奉納の絵馬あり。石の手水盤、左右に石燈籠数多あり。又
雁木坂十四、五階上り御唐門、左右は瑞籬なり。 御本社南向き四方
廻樓(回廊)、左の方入口あり。御拜殿唐戸金銀を鏤(ちりば)め、三十六歌仙額、
御歌 後水尾院御宸筆なり。御石の間、羽黒縁の御畳、御幣殿御畳、御紋
べりなり。 御本殿の結構いうまでもなく、目を驚かすばかりなり。
御本社南向き、四方回廊、左の方、唐戸の入口あり。これより、
御宝塔道には入る事を禁ず。石坂二ヶ所ありて、石の御華表(とりい)、
また一檀(段)、坂ありて、 御宝塔西向きなりという。御供所の裏、森の
中に木の鳥居ありて、山道八町程登れば、石の鳥居ありて、愛宕社、
稲荷社あり。後ろの谷、数千丈、削りなしたるごとく、目くるめきて望み
見ること難し。御山の上に井戸三ヶ所あり。 同所にて、
〇久能山や 繁れる松に 事もなし
波静かなる 有度の海面(うみづら) 可安
(「久能山」の項、つづく)
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