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「江戸繁昌記 三編」を読む 10

(庭の隅のシラン/4月25日撮影)

10連休の2日目、午後、名古屋のかなくん母子が来る。パパは連休なしの仕事だとか。掛川のまーくん兄弟もきて、久し振りに賑やかになった。まーくんパパも長い海外赴任から帰国して、今日は仲間で共同の田植え仕事に出ているという。孫たちは日に日に成長している。

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「江戸繁昌記 三編」の解読を続ける。「開帳」の続き。

鼓急に、笛(りょう)たり。雪晴れ、廟砕く。城郭漸々地より湧き出ず。(場面転換を表す)慌て得て、観る者、魂飛び、魄散ず。那の(=かの)扈三娘双手剣を揚げて、林箭を砍(き)り除く。蛾眉(すい、=みどり)を縦にし、長袖紅を飄(ひるがえ)す。
※ 喨(りょう)- 音が清らかにひびきわたるさま。
※ 魂飛び、魄散ず(こんとびはくさんず)- 魂が飛んでいって、心が空になるほどに驚く。
※ 扈三娘(れい)- 梁山泊の女性頭領の一人。渾名は一丈青。
※ 双手(そうしゅ)- 両手。もろて。
※ 林箭(りんさ)- 林のように飛んでくる矢。
※ 蛾眉(がび)- 蛾の触角のように細く弧を描いた美しいまゆ。


正にこれ殺気場中、彩霞空より落ち、三郎ノ羯鼓、牡丹驟(にわか)に開く。次を破り、段を超えて、這(こ)の娘を跳(おど)り出す。これ技人の妙思。既にして東帷褪すれば、則ち所謂(いわゆる)一箇の水郷地。梁山泊と名付くるは、四面高山、三関雄壮、聚義庁上、宋江李達など、俯仰態を成す。三面通(かよ)えて変ず。山疂み、水流る。水、近くして遠く、山、小にして大なり。那(か)方円八百余里の縮図と作る。白(口上)叫ぶ。先客後に譲れ。(先さまはお帰り、=客の入替)
※ 彩霞(さいか)- いろどりの美しいかすみ。
※ 羯鼓(かっこ)- 中国・日本の打楽器の名称。雅楽で用いる太鼓の一種。
※ 東帷(とうい)- 東のとばり(垂れ幕)。
※ 梁山泊(りょうざんぱく)- 中国山東省梁山県の南東、梁山の麓。古来天険の要地として著名。「水滸伝」で林沖,朱貴らがここを根拠に活動した。
※ 聚義庁(しゅうぎちょう)- 梁山泊の中枢部が置かれた所。
※ 宋江(そうこう)-北宋末に現在の山東省近辺で反乱を起こした。四大叛徒の一人。綽名は呼保義(こほうぎ)。
※ 李逵(りき)- 怪力、色黒の豪傑。渾名は黒旋風、鉄牛。宋江を絶対的存在とする。
※ 俯仰(ふぎょう)- 立ち居振る舞い。
※ 態を成す(たいをなす)- まとまった形になる。形がととのう。
※ 山畳む(やまたたむ)- 山が幾重にも重なる。
※ 方円(ほうえん)- 四角と丸。方形と円形。
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