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海野弥兵衛信孝日記(15) - 駿河古文書会

(ブロックと砂利の間から花を咲かせたサフランモドキ)

昨日に続いて、海野弥兵衛信孝日記の続きである。弥兵衛さんはもう一月近く難波屋に滞在している。

二月朔日
一 文四郎認め候書面、得と勘弁いたし、兄へも右書面、一見に入れ申し談じ候事
※ 勘弁 - 物事のよしあしをよく考えること。
 但し地脇の者来たる
一 嶋津様よりの御返翰、落手いたす
 但し、過日替り来たり候に付、森惣左衛門方まで、その段相咄し、差し出し置き候処、取り替え来たり候事

二日
一 羽鳥藤兵衛様、難波屋へ来たり候由、自分留守にて、逢い申さず候事
 但し岡孫之進殿よりの年始状、御持参の由、もっとも落手いたし候事

三日
一 二十四文、莨

四日
一 文四郎呼び寄せ候、もっとも書面へ、今一日、相掛け居り候事
一 七拾三文、茶菓子代

五日
一 十六文、梳油代
一 金弐朱と弐百五文、未(ひつじ)年分、木村惣左衛門へ払う
 但し、扇子箱、状箱代なり
一 紀州海野兵左衛門殿よりの書状、到来落手致す
 但し、年始状なり

六日
一 丗(文)、乳母風(風邪)薬代

七日
一 文四郎呼び寄せる、もっとも書面へ、今一日相掛け居り候事
一      茶菓子代
一 二十四文、莨
一 草深町吉蔵来たる、もっとも口坂本村与四兵衛よりの手紙、持参受け取り候
一 金壱両壱分、井川養父へ差し向き相送る、使い草深町吉蔵
※ 差向(さしむき)- さしあたり。今のところ。当面。
 但し、井川にて養父へ引き合い置き候、無尽掛け金不足分なり、もっとも書付添え遣わし候事

八日
一 休日

九日
一 十八文、大半紙
一 百五十文、清兵衛雇い賃払う
 但し、羽鳥より丸子まで参られ候節の分
一 五十文、小遣い
一 百文ろうそく奉納分、使い巳之助
一 十二文、小遣い遣わす
一 三十弐文、使い賃払う

十日
一 羽鳥藤兵衛様、難波屋へ来たる、もっとも面会相咄し候
 但し、安部家への書面、一見に入れ候事
一 藤兵衛様、難波屋へ泊まる

十一日
一 羽鳥藤兵衛様、御帰り成られ候、もっとも御同人、来たる十四日、御出で成られ候由
 但し、品々相咄し候事
一 二十四文、莨

十二日

十三日
一 自分儀、文四郎方へ罷り出で候
 但し、藤兵衛様書面の儀、申し談じ候、もっとも自分書面の儀も、品々申し談じ候事

十四日
一 昼八つ時過ぎ、文四郎難波屋へ来たる
 但し、羽鳥藤兵衛様、書面持参致され、一見いたし候、もっとも右書面預り置き候、その外、自分書面、種々申し談じ、相直し候事、もっとも七つ時過ぎ、文四郎帰られる
一 四十八文、茶がし代
一 千代惣市様、難波屋へ来たる、もっとも面会いたし候
 但し、御同人様、江戸表より帰られ、初めて面会相咄し候事
一 今朝、草深利右衛門、荷持ちの者来たる、もっとも兼て申し遣わし置き候事
 左の通り、相渡し遣わし候
  一 米三斗弐升、井川上屋敷へ相送り候
    この賃
 但し、賃銭この次一所(一緒)に相渡し候つもりにて、渡し申さず候事
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