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コウノトリ、43年目の朗報

(放鳥コウノトリ雛誕生)

その日を皆んなが待っていた。43年目の誕生であった。今日、そのニュースがNHKで流れた。ゲージの中ではなくて、自然界でコウノトリの卵が孵化し、ヒナが誕生したのである。故郷では新聞の号外が出て、花火こそ揚げないが、喜びにわきかえっていることであろう。

わが故郷、豊岡市で自然界に放鳥された、一度は絶滅した国の特別天然記念物のコウノトリ、9歳のメスと7歳のオスの間に生まれた卵が、今日孵化しているのが確認された。

このペアは今年4月初旬から豊岡市百合地の人工巣塔(高さ12・5メートル)に巣づくりし、4月14日から長時間卵を抱く様子が観察され、3個の卵が4月14日、16日、19日に産卵したものらしい。コウノトリは親鳥が卵を抱く時間が長くなってから、31から32日で孵化するという。確認された一羽は何日に産卵したものであろうか。

自然界で最後にヒナ誕生として確認されたのは、遠く1964年、福井県小浜市でのことであった。1964年といえばその年の10月10日から24日まで東京オリンピックが開催された年である。

コウノトリ放鳥の希望の星であったハチゴロウが死に、放鳥したオスが一羽事故で死に、つがいであったメスが行方不明になった。つまりは自然界に置かれたコウノトリの身にはこのところいいニュースがなかった。ゲージで生まれたコウノトリが、自然界で生き延びるのは難しいのだろうと思わせていた。

3日前には、放鳥された雌雄ともに3歳のペアに生まれていた卵3個について、孵化の可能性がなくなったと発表され、やはり駄目であったかと、がっかりさせられたばかりで、今年最後の望みがこのペアにかかっていた。

そんな中でのヒナ誕生である。あと2個の卵も無事孵り、元気に巣立って欲しいと思う。順調に行けば巣立ちは7月中旬だという。

2005年秋放鳥されて、これで野生復帰計画が大きく前進し、新しい段階に入ることになる。

コウノトリの最新情報は読売新聞のHPで詳しく継続して報道されている。
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