わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

深井2 その2

2017年07月01日 | 能面

さて、大手術を行った深井2だが、何とか形が出来て素彫りを終える事が出来たというあたり。下の写真は6月16日に撮ったものなのだが、大手術後は残念ながら残っている。本来ならこの継ぎ足し部分の境目は、v字型に彫って、そこに補修材を埋めるという手法もあるのだが、今回はその切り口が予想以上にぴったりと接着出来た事から、このまま様子を見ようと考えたところ。

これ以降は彩色の段階である。その第1回目が下の写真。これは27日の写真だが、ずいぶんと時間が経っている。この間にはもちろん、「深井2」の細かい修正もあり、更には素彫りが終わった後もああだこうだと時間をかけていたので、結構な時間がかかってしまったという具合だ。

で、25日あたりから同時に4個の彩色が始まったので、写真には幾らかの時間差がある。

こうしてみると、あの手術痕は見えない。実はこの深井は「その1」であり、もともと手術はしていないので、きれいに見えるだけ。

で、上の写真は28日だ。ほぼ彩色は終わっている段階で、これだけでも完成だ・・と言っても良い程度だろう。これも「深井1」らしい。

最後のだめ押しが上の写真。29日の結果だが、いわゆる「古色」を施した結果である。古色とはハンノキの実を煮詰めて汁を作り、その茶色い汁をぼかし網とぼかし筆を使いながら、霧状に能面の表面に振りかけていく。今風で言えば「スプレーをしたような効果」を出す作業だ。そうすることで、画一的な、のっぺりとした表面に淡い濃淡を作り、柔らかく見せる。

この手法は能面だけではなく、和紙人形の背景、あるいは絵手紙の背景などに細かい霧状の色を表現するときにも利用される。我が国古来からある手芸などののテクニックでもあるらしい。

 

さて、一方の「祖父2」はどうしたのかと言えば、素彫りが終わったのは6月6日あたりのようだ。それ以降、深井2の素彫りが終わるまでの間、あっちに置いて放置をしていたと言う具合。で、深井2の素彫りも終わり、放置していた祖父1と祖父2の計4個を同時に彩色を行った。

上は6月25日だが、この時も4個を同時に彩色しているから、それぞれの面によって使う色が違うため、その面にあった色を作りながら作業をを続けることになり、若干面倒でもある。まあ、それでも一応は「趣味」だから、面倒でもやっておこう。

下の写真は7月1日に撮ったもの。もちろん作業自体はもっと前から行っているので、途中経過も写真は撮っている。

で、上は「古色の作業」も終えているから、今日7月1日で完成としたい。

今回は、4月の中頃あたりから「祖父1」を彫り始め、能面教室の課題として5月中頃からは「深井1」の作業に入っていた。その後に「祖父2」「深井2」と掘り続けて、約2ヶ月半程かかって4個のお面を彫ったことになる。ずいぶんと頑張ったものだが、こうして終わってみればそれほど「大変だった」とは思っていないのだ。

この2ヶ月半というのは、能面教室の仲間にしてみれば、まだ一個も彫り終わっていない期間でもあるが、それらと比較しても始まらない。単に私が個人的に「暇を持て余している」高齢者であり、毎日、作業が出来る環境にあるだけの事だろう。

というあたりで、取りあえずは一段落とします。

このあと、どうするかは今のところ分からないが、手元には女面2個分の材料がある。恐らく、あと数日もしたら次のお面をどうしようか・・・なんて考えて居るはず。

 

 

 

 

 


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