わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

能面その6

2007年06月22日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog082 だいぶ感じが出てきた「翁」だ。その5の写真は、顔の表面がつるつるしているが、今回はそれに「梨肌」仕上げをしたところだ。梨の表面のようにざらついている感じを表すのだが、ちょっと最初はコツがいる。

そのコツがまだつかめないうちに作業をしているから、上手ではない。そりゃ当然だがね。そんなに最初からうまくいくのなら、先生はいらない。

で、方法は、着色し、にかわで薄めた胡分を、ぼかし刷毛にちょびっと付けて刷毛の先っぽで面をとんとん叩くようにするのだ。そうすると、表面に胡分がまだらに付着する。それを面の全体に施すと良いそうだ。先輩の出来上がりと比べると、いまいち上手ではない。そりゃそうだ。先輩よりうまくいったら大変なのだ。

と言うことで、20日に教わった方法で面の表面を処置し、少し彩色を施した。てっぺんは髪の毛ではなく、かぶり物を表しているから黒色。目も黒(墨を使う)を塗った。唇は朱色に墨をわずかに混ぜて暗くする。何と言っても「翁」だから老人だ。鮮やかな色をしているわけはない。それでもまだ鮮やかな気もするが、まあいいだろう。

歯にも薄墨を塗って老人の歯のようにすると、だんだんと見栄えがしてくるから不思議だ。この後の作業は「古色」を付ける。古色は「ハンノ木」の実を煮詰めた液を使う。これをぼかし刷毛に少量付けて、ぼかし網の上でなぞると、茶色の液が面の上に飛び散って、いかにも古めかしい色に変わる。

今はまだ、白い肌色をしているが、古色を付けることでいかにも古めかしい色合いが出てくる。と言うより霧状の茶色を吹きかけたことで、その色に染まってくるといった方が良いかな。前に見本を紹介したが、そんな感じになる。

で、最後は髭と眉毛を取り付けて完成になるが、これはまだ先のことになる。7月になったら、それらの作業工程を行って、下旬に行われる「七夕祭り」の時に雄志が発表会を行うので、その時、昨年度に完成した「小面(こおもて)」と一緒にお披露目することになっている。

完成は7月の中旬ぐらいかな。