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katsuまるはだかぁ 芸術家への道

モザイクアート一直線のkatsuの日記

みどりが黒船連れて来た・・・・

2015-12-23 06:49:26 | モザイク作家
今日は午後からみどりとネットでの知り合いが見学に来る。以前アトレのイベントの時にいらしてくれて・・・・一度お会いした事があるが、それ以上の事はみどりにネットから数点の画像を見せて貰っただけで、特にそれ以上は知っている訳では無かったんだけれど・・・・。

その人はタイル職人micheって方なんだけれど、画像でも相当なモザイクだった・・・・それを持ってやって来てくれるとの事・・・・。
これをね、何も気にしない神経の持ち主なら強心臓でね、ただアトリエ行って良いですか?じゃご自分の作品を見せて下さい・・・ってお互いに名乗る。

ただそれだけじゃん・・・・って事だと思うのね。じゃそれをいつも言う、物事は大きく表現すると逃げ道は無くなるから判りやすくなる・・・って話に当てはめるので、それではこれを見てから話を続ける・・・・。


恐らくこれは、タイルの床材で作られているのね。そうね、言い方は悪いがタイル屋なら倉庫に余っているような何処にでもあるタイル・・・。
つまり言い方を変えれば、つまり腕さえあればタイル屋なら誰にでも作れる・・・そう腕さえあれば・・・・ね。

ちなみに俺は腕が無いから出来ない・・・・真似事くらいしかね・・・。ではそれを踏まえて始まりはじまり・・・・。

それはある日の事だった・・・弟子になったみどりがどこぞの土地でmicheと言う南蛮渡来のモザイクをする者と知りおうたらしい・・・・。奴の話では私達の流派では無い形で、何か見た事の無いモザイク?なのだと言う・・・・そうタイル特有の艶々感が無く、しかしながらただただ凄いものだと言う。

私はこの市川の土地から中々出た事が無く、まさに井の中の蛙。ただ風のうわさで世の中には色んな技を持つ者達がいる事は知ってはいたが・・・。
そんな中、弟子のみどりは貿易の盛んな横浜なる出身との事・・・・異国文化を見る事が多い事なのだろう・・・・。

ひょんな事からそのmicheなる人物と知り合いになるも、職業がタイル職人・・・・以前の私と同じ業種。すると、その異国のmicheなる人物が私を良く知っている・・・・とみどりに言うらしい。それはそれは昔の事、テレビチャンピオンの乱の噂をご存知らしい・・・・。

しかも、あちらこちらでネットなる陰の軍団をあやつり、私の事を調べての来日との事・・・・そんなこんなでみどりの通訳を通じての会談となった。
するとそのmicheと言う人物はニッカボッカなる変わったものを身にまとっていた。私も以前それを持っていた事もあるが、随分と昔の話である。

そんなこんなでご挨拶をし、話をするのだけれど、アトリエにある作品をグルグル見渡している・・・・こんな時思うのは、興味の度合い。
人は興味のあるものと無いものを見分け、絞って見るものである。それは限られた時間を有意義に過ごすには必要不可欠。

ただ残念な事にアトリエにはそんなに立派な作品は無い。お教室のサンプルやら昔の作品がわずか・・・・けれど、かぐやとみどりの作品はあって・・・おっと、そうそう今日の一番の目的はその弟子のみどりの作品を観に来る・・・・だった。忘れる所だった。

ただね、出来る事なら私もわざわざ来て下さる人にはそれなりの作品を用意してお待ちしたいものだが・・・・しかも、こんな作品を作っている方。
お教室のサンプルばかりではね・・・・ただ今日のメインはみどりなのだから・・・と思えばそれはそれなのかな?・・・・・と複雑ではあるが。

そんなこんなでみどりの作品を見せるなり・・・・おぉ凄い・・・これが主婦なんて・・・・ワールドクラスだと思う・・・って。
正直な方である。それまではそこまでの声は無かったが、この作品は絶賛だった。

そこにかぐやの作品もあったが、これは会場で何枚も写真を撮った・・・・って言ってたから、それはそれで凄い事なんだけれど。
そんなやり取りをした後に、micheさんの作品を観る事になるのだが・・・・良く考えて欲しいのは、弟子達2人は渾身の作品であり、それを観に来た

micheさんも渾身の作品・・・・時間を気にせず、いつ終わるか判らない・・・・そんな作品。凄くて当然と言わんばかりである。
まぁそれらに囲まれては、正直どれもこれもアトリエ内の作品では太刀打ち出来るようなものは無く・・・・正直撃沈である。

こんな気持ちが、あのペリー来日のような気分では無いか?・・・・って話である。こちらは喰い切りでのモザイク、あちらは機械を使い・・・まるで刀と大砲を比べているような・・・・更にそこに追い討ちするように、この作品を作っている頃に、テレビチャンピオンの乱があったと表現する。

しかもあの時の戦いでの安藤氏と一緒に仕事をした事もあると言う・・・・それはそれは恐らく腕に自信のある名立たる武将であろう。
何故なら実際にあの技術を持った安藤氏と比較をされるにも関わらず、一緒に仕事を出来ると言うのだから、余程の腕か?並大抵では無い強心臓。

そしてやはりこの作品・・・・ただここをしっかり考えないとならないのは、現役のタイル職人である事。私はタイル屋を続けてモザイクをする事に限界を感じたからこそタイル屋を辞めてこの道に進んだ・・・・しかしここに続けながらこんなに凄い作品を作る方がいる・・・・。

ただ、ここもしっかり受け止めれば同じ土俵ではとてもかなわない・・・・やはりタイル屋を辞めて正解だったと考えられる。だからこれで良かったんだ・・・と素直に思わせて頂ける。同じスタイルでは勝ち目が無い・・・とね。

そんな腕利きが私の出来なかった現役のままでモザイクをしている・・・・しかもその時間の無い中で妥協せず渾身の作品を作る。
更にだ・・・ここ。タイル屋なら捨ててしまう廃材のような何処にでもあるタイルで作っている・・・・つまり真の腕のみ。

A5ランクの肉での料理では無く、捨てるような肉でこれを作った・・・・と思って御覧なさいっな・・・・それはそれは恐ろしい。
この作品には遺跡のような威厳と恐ろしいまでの職人の信念や苦悩、寂しさや意地・・・・そんなものが伝わって来る。

これを観たやからの中には、聞かずとも不届き者のタイル屋が、俺にも出来る・・・なんて言う者もいたろうし、床材じゃん・・・・と素材を馬鹿にしたりされた・・・・そうこの馬が私に話掛けて来る・・・・孤独である・・・・とね。

ただ私はこの馬に醜いアヒルの子の話をした・・・・貴方を観た者達は仲間の群れのものさしで貴方を計ったのです・・・ある者は廃材なんかで作ったもの・・・と判断をし安い肉だと・・・・ある者は、タイル屋としてタイルを切っているし、工具も持っているから出来る・・・・と。

真の貴方を知らずにその人達のものさしで計られた・・・・ただその人達のはかりが正しいものだったか?・・・・私の母は自分のものさしで人を判断をしない・・・と教えてくれた・・・・ただそれでは何でどう判断をすれば良いのか?・・・になる。

まだまだ答えは出ていないが、だからこそ私は私を磨き、その私の眼を信じる・・・そして迷った時は、私を信じる者達の眼を信じる・・・と。
ならば答えは簡単。貴方をお作りになったご主人は私の弟子の作品をわざわざ観に来て下さった・・・・。

その眼が正しいのならみどりは貴方をお作りになったご主人の眼にかなった事になる。私は貴方を素晴らしいと思う・・・ならば、ここにある全てのモノは嘘偽りの無いものである事になる。だから貴方を作ったご主人は信じる事が出来る・・・・ただそれだけ。

静まり下さい・・・・大丈夫・・・・一人じゃない・・・・この作品とこんな話をした・・・・。私はこの作品の他に後4点あったが、この最初の作品の前で動けなくなった・・・・ただ動けなくなったのは、腕の凄さもさる事ながら、心で会話をしていたから・・・・。

出来ればこの作品を観た人の中で、私がこの作品を一番解説出来る人でありたい・・・・そう感じたから。ローマまで行かずともここにもローマのようなものはある・・・・。そうも感じた。そう言う事を感じてから、これを見て欲しい・・・・。



凄い作品達は良く判った・・・・格式も感じた・・・・じゃ私の目指すモザイクとは?・・・・質は落とさず格式落とそう・・・。
私に格式は似合わない・・・・ただ下品は嫌。それを踏まえて何処まで下げられるのだろう・・・・。

こんな葛藤をした・・・・その葛藤の中の1つが、kobitoさんへのアドバイスに自分の作品の時間をきちんと取る事・・・・先生の仕込みばかりやらないでね・・・・1日1時間で良いから・・・・ってね。それを自分に当てはめたら・・・・いつ終わるか判らない作品を1日1時間で良いから、

私も作れるか?・・・・となると、micheさんやkobitoさんの仕事をしながら・・・って言う中での製作の意味が真から判るのかも知れない・・・と。
いずれにせよ、心を揺らされたのは間違いが無い・・・・この気持ちを何とか元通りにしないとならず・・・・。

海原やすよともこ・・・・の漫才。良いなぁ・・・・右側の人・・・意外と好き。何か上沼恵美子さんの雰囲気あって・・・。
ネットで若い頃からのを何本も聞きながらモザイクをした・・・・同じネタを何本も・・・・凄く上手くなってて、風格さえも付いた気がした。

どんな分野であろうと凄いものは凄い・・・・。さてさて、俺らしいさの追求すっか・・・・この作品はそんな自分探し。

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