カシメルマンはBARにおるんちゃうか

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「スーパーカーブーム」 ~人混みをぬって車の写真を撮った思い出~

2019年06月08日 | 昔回想
自分が小学5~6年生くらいの頃、世間は“スーパーカーブーム”だった。
…なんだよ、そのスーパーカーって。と思う人が今や多い筈。
“スーパーカー”って言葉自体、とっくに死語なんだよな。
スーパーカーってのは最近の言葉で言うと“エキゾチックカー”かな。
え?それも知らない?…うー、そもそも自動車好きな人しか使わないかそんな言葉。
近頃は若者の“車離れ”が進んで一頃に比べると自動車の売り上げも少なくなって
きているらしい。でも自分達の親の世代は経済成長期で、マイカーを持つことが
家電を買うのに並ぶ民衆のステイタスだった。
最近「高齢者ドライバーの免許返納」が話題になってるけど
割合が多いのはちょうどそんな時代に免許を取得した世代だからだ。
叔父さんに「男はみんないい歳(20歳くらい)になると必ず車に憧れるんだよ」と
言われたと小学校の友達から聞いたことがある。
「ふーん、そんなもんかなあ」とまだそうも興味がなかった自分は思ったんだけど、
それから間もなく学校でもスーパーカーが流行りだしたんだ。

ハナシを戻すけど“スーパーカー”とか“エキゾチックカー”というのは
要するに“もの凄いスポーツカー”て意味かなー。この場合殆どが外車だった。
その頃の国産スポーツカーには無い排気量で馬力があり、形も背が低くて
幅の広い、まァそれはそれはとんでもない姿してるんだよ。
そんな日本の街ではとても見かけないような車が小学生の間で話題になった。
きっかけの一つは「サーキットの狼(池沢さとし氏著)」というコミックだった。
題名でも想像つく通り自動車レース物で、主人公やライバルの乗っている車が
そのスーパーカーのオンパレード。そこから人気が出たところが大きいと思う。
そんな状況の中自分も流石に興味湧いてきて、友達とスーパーカーの話で盛り上がった。
流行りにのって本屋では専用の図鑑、文房具屋とかでもスーパーカーの形の
消しゴムとか売り始めて、それらを沢山集めてる奴もいた。
プラモデルも皆んなスーパーカーばっかり作ってたね。
以前、自分が好きな車は“ランボルギーニ・カウンタック”だったと当ブログで書いたけど、
その頃友達が持ってた本にカウンタックの前、後、横から撮った写真が載ってて
とてもこの世のモノとは思えないデザインに「かっこえー!」と一目惚れしてからだ。
「最高時速300Km/h」とか書いてあって、まるで羽根がない飛行機みたい。
遂にプラモデルが発売になった時は飛びついて買ってもらった。

更に拍車をかけたのは後に公開の「キャノンボール(1981)」という洋画だった。
オープニングのテロップと音楽が流れるところで、女性2人が乗った
黒いカウンタックが追いかけてきたパトカーをおちょくるシーンがあったんだ。
このカウンタック、なんと“LP500S”というチューンナップしたタイプの上、
更にウィングが前と後に付いた特殊なスタイルで、多分早回し処理がかかった画面だけど、
フルスロットルでパトカーをブッチ切るシーンが痛快で大好きだった。
(上写真の黄色いボディーはLP400(ノーマル)、青いのがLP500S)

「サーキットの狼」の主人公が乗ってたので
“ロータス・ヨーロッパ(最上部の写真)”も人気があった。
排気量とか性能は並だったもののコミックのせいでかスーパーカーとして認められてたな。
カウンタックよりスピードが出る、という売りで“フェラーリBB(上写真のもの)”、
それよりもっと速い“デトマソ・パンテーラ”ってのもあったなあ。
…で、目立ってファンが多いのが“ランボルギーニ・ミウラ”、
更にそれのル・マン仕様の“ランボルギーニ・イオタ”だ(これもミニカーは不所持)。
イオタはワンオフ車で世界に1台しかなかったもので、後に誰かが事故って
オシャカにしてしまい、現在イオタの形をしてるのはミウラの外見をドレスアップした
レプリカしか無い、という幻の名車。外見はミウラの幅を少し大きく膨らせて
スポイラー(空力特性を良くする羽根に似た部品)をつけたような車だけど、
もちろん初めに作られた“本物”は車体の構造から全然別物だったんだ。

“ポルシェ”のファンも根強かったな。
上の写真のミニカーは“911”というタイプだけど、これは比較的最近のモデルで、
当時のものはもっとヘッドライトがボンネットの上に飛び出ていてもろ“カエル”みたいな顔だった。
でも一般的なモデルの911に対し、これにターボ(過給器)を搭載した“930”
の方が人気があったみたいだけど。これは後ろのタイヤ幅が更に大きく、
それに伴ってフェンダーの張り出しが大きくて、後ろから見ると“グラマー”だった。
他には“マセラッティー”、“ディーノ”、等、まあ殆どがヨーロッパの車だった。
中にはブームに乗っかって作った国産の“童夢ZERO”ってのもあったけど。
“ベンツ”、“BMW”にもカッコイイスポーツカーはあったみたいだが
スーパーカーの類からは除外されてた。一方その頃国内の道路でかろうじて見かけたのは
“フォード”、“リンカーン”や“ダッジ”とかのアメリカ車だ。
ヤタラにでっかい車体で高級感はあったけど勿論これもスーパーカーではない。
ブームになって久しくなるとスーパーカーにヤタラに博学な子供が増えてきたので
テレビではとうとうスーパーカー関連のクイズ番組も出現。見ると回答者は全員子供(^^。
「アタック25」みたいに横一列にゴンドラに座ってるんだけど、
その席に車のハンドルが付いてて、答えが解ったらボタンを押す代わりに
そのハンドルを思い切り右か左に切る、っていうシステムだったのに笑かされたね。
車の特徴から名前を当てるとか、カウンタックみたいな形を「クサビ型」って言うんだとか
そんな問答だったかな、流石に子供なんで排気量とか燃費の話までは出なかったと
思うけど(^0^A。自分はそうも詳しくないので出たいとまでは思わなかったなー。

…で、大きなイベント会場で「スーパーカーショー」も何度か開催されて
まだ交通機関も使い慣れていない中学生の友達同志で見に行ったりしたんだ。
親のカメラ借りたりしてね(笑)。入場前からもの凄い人が並んでて
押し合いへし合いなので子供には辛い。やっとの思いで入場。
だだっ広い会場内にランダムにスーパーカーが置いてあって、1台づつとか
2台づつその周りに車から5メートルくらい離して円形に柵がしてある。
監視員も立ってる。つまり触れるほど近づくことは出来ないわけだ。
やっぱり人気はカウンタックやフェラーリBBなんだけど、
柵の外にドーナツ形に人だかりが出来てて、とても車に近づけずよく見えない。
大学生くらいのちょっといいカメラ持った人たちが壁になってて中学1年生くらいの
自分達には殆ど見えない。「おっ、今スキマからチラッとタイヤが見えた」みたいな。
結局、比較的人気がない“マセラッティー・メラク”とかの写真だけ撮って
帰る、みたいな感じなのな(泣)。今のモーターショウとかでもそうだけど、
やっぱ展示場は子供にはキツイわ。
そんな中、同級生に家が金持ちの子がいて、そいつが何かのイベントでカウンタックの
助手席に乗って走らせてもらえた、なんて噂を聞いたときは羨ましかったね。
そういう権利に応募して当ったのか、コネなのか忘れたけど(^^;。
そいつしばらくヒーローだったね。

今回は萌えたけど案外疲れる趣味の「スーパーカーブーム」のハナシでした。
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